読みたかったのは、”コレ”でした。


社畜街道まっしぐら。気づいたら12年がたっていた。もう人生何もかもがおしまいだ。思い出すのは高校時代の憧れの女性。私の同じように、悲惨な人生を歩んだらしい。何もしていないのに、妬まれ、恨まれ。今や……。

もし私が、あの時、勇気を出せたら。私が、あの時、陰キャじゃなかったら。
あと一言で、すべてが変わっていたかもしれないのに。
アァ。眩暈がする。息が苦しい。
もう一度、あの人の笑顔を見たい……、





はっっ…ここは…?!




から始まる死に戻り遡及ストーリ―。


******

馬鹿だったなあと思う。結局のところ、私もあいつは私よりも下だ、あいつは私よりも上だ、なんていう価値観を持ち続けていたのだ。
このサイト内だってそうだ。あの小説は私が上から目線で批評してもよいだろう。この小説はたくさんの人が見てる、激しめのレビューはやめておこう。なんてな。

結局、そうだったんだな。上辺では、人を見下してはいけない、優劣をつけるのは愚かな行為だ、と主張しつつも、心の奥底では暗い泥のようなものがへばりついている。囚われている。
  

この作品は、そんな私を客観視させてくれるようなものだった。

急に変わることはできないだろう。でも主人公が地道に、昏い世界を生きてきたものが報われることがあるように、何か私にも積み上げてきたものが結果として目に映るようになることもあるのかもしれない。

そうなれるミライを求めて日々を生きていきたい。

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