第3話

 僕の願いごと。それは、シンプルで、だけど難しい。

 たとえば、何人なにじんですか? と訊かれたら。あなたは、答えられるでしょう? 『〇〇人です』って。この〇〇、の部分、僕は、これが欲しい。


 だから僕は、今日も、たまたま通りかかった神社で手を合わせる。


「神様、どうか、お願いです―」


 いつか僕が、外人ではなく、〇〇人と言える場所が、僕が僕自身でいられる場所が、見つかりますように。



 そうだよ、八百万やおよろずもいるんだもの。いつか、どこかの神様が叶えてくれるんじゃないかって、そう期待しているんだ。




FiN

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

願いごと:僕は、〇〇人になりたい はがね @ukki_392

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ