時代背景あってこその傑作。

はじめは、空き時間にちまちま読んでいこうーー。
そんな軽い気持ちで読み始めたこの作品ですが、あっという間に世界観に引き込まれ気付けば最後まで読み進めてしまっていました。
私自身、趣味で小説を書いていたりするのですがやはり発想も設定の細かさも、何もかもが脱帽モノでしたね…!
趣味とそうでない人とだと、こうも違うものなのかと。
そして内容ですが、何よりもまず最初に璃々栖ちゃん可愛い!
これに尽きます。
最初は魔王様的なキャラで終始年上お姉さん的な余裕を見せつけていくキャラなのかと思いきや、いざという所で乙女な部分が出る…これって、言葉で表すのは簡単だけど、実際に一つの物語の中で活かしていくのはとっても難しい事だと思うんです。

皆無(かいな)という名とタイトルの通り、腕の代わりになるのかな…と予想はしていましたが、そこに至るまでの過程と代わりになる、ということの真意が本作を読むまでの自分の解釈とは全く異なっており、どちらも良い意味で期待を裏切られました。
この子もとっても個性的でしたね!
関西弁だからこそ引き立つ感情の移ろいと、前半の年相応、または少し背伸びした感じの少年から紳士(?)なイケメンになってしまうとは…
璃々栖ちゃんが惚れ込むのも無理は無さそうですね(笑)

この物語は、一度目と二度目、読む回数で隠された伏線などに気付く事も多くなり印象が変わっていく非常に読み応えのある作品だと思います。
ありきたりな表現にはなってしまいますが、終始皆無くんと璃々栖ちゃんの行く末にドキドキハラハラ、といった感じで手に汗握りながら読ませていただきました。

読み終わった後に胸がキュッ、と締め付けられるような気持ちになるのは…甘酸っぱい、と言うのでしょうか。

足りない頭と語彙ではこのくらいの事しか書けませんが、素晴らしい作品に出逢わせてくれた作者様に心からの感謝を。
さらなる飛躍をお祈り申し上げまして、レビューの〆とさせていただきます。