"詰み"深き欲望のバラッド

前々から思っていたのですが、作者様は欲望の描き方がすごいうまい。ギラギラしたやつじゃない、誰もがぼんやり抱えていて、それを持っていることがまるで自分らしいと勘違いして手放せなくなっていく退廃的快感を伴ったどうしようもない厄介もの、欲望。

この物語の主人公も、そこに自ら埋没していこうとします。そこで突然巻き込まれる不条理世界。文字どおり、身動き取れなくなるあたし……。

こういうシュールな作品で哀しみを出せるのがすごい。

なるべく早くこの作品の評価の星の数が百単位行ってくれることを私は願う。そうならない世の中になど、私は生きていたくはない……。そこまで言っちゃうんだよ。

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