友情を繋ぐ、小さな力

いわゆる「見える」家系の雪(せつ)、自分が「見える」人間だと信じたくない譲、「見えない」どころかはね除ける体質の壱矢の三人の男子高校生を中心に、物語が紡がれていく。

テンプレートではなく、人物たちの人となりが丁寧に書き分けられている。素直になり切れないこの年代ならではの葛藤も。

この作品の中で唯一(?)の特殊な存在である玉藍が、とても可愛い。古めかしい奥ゆかしさのある台詞が逆に新鮮。一家に一人(一匹?)はいてもらいたい。

派手ではないけれど、読み進めるほどに作品を好きになって、人物たちにも愛着が湧いてくる。彼らの物語をもっと読んでいたい。

小説らしい小説を読みたいあなたに、おすすめします。