このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(213文字)
力強く繊細な描写で紡がれる、すれ違う父と子の…切なくてほんのり怖い物語。幻想的でありながら現実的な奥行きも感じられ、静かに、ゆっくりと、物語の中に潜っていくことができます。不思議な感覚に浸れる、すごい作品です。
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うまくいかない父と子の関係。子どもは感情の表現が下手で父親に想いが伝わりにくい。そこで父から与えられた手帳に、絵を描くことで伝えようとするが――当時の日本社会の有様、家庭での生活の様子、時代を生きている人たちの価値観がていねいに描かれています。物語はせつない内容ですが、価値観の違いや人との接し方などを考えさせられました。細かな描写からは登場人物たちの心の動きが伝わり、映像を見ているかのように鮮明に浮かぶ作品です。
子供にしか見えない世界とは使い古されたアイディアだけど、しかし、とても巧妙に仕立て直されたと思います。面白いです。前半は展開が読めず、途中からジワジワ恐怖が来て、そのまま恐怖で終わるかと思ったら最後にまた予想を外されちゃいました。