そこに捧げる供物は業。迷えるものがたどり着く。
- ★★★ Excellent!!!
三者の視点で描かれていく物語。
一つはニンゲン。一つは祀らるるモノ。そして最後に黒きネコ。
舞台は神域。願いはかなわず。ただ、その祀らるるモノの享楽のために、迷いしニンゲンがそこに向かう。
日常のようで、日常でない。神秘の中に、人の業が見え隠れする。
取り持つものは黒い猫。
読み終わった時には、何故か不思議な気分になっていました。
人には見える部分と見えない部分が存在し、人は見ると見ないが選択できる。
心の迷いの中にある、様々なものがそれとつなぐ。
そんな感じを受けました。