ふたつの夢を追いかけて

作者 きょんきょん

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★★★ Excellent!!!

まず感じるのは「綺麗な文章」であることです。作者様の筆力がなせる技なのですが、所々…を通り越して随所に? ほぼ全てに? 美しい言葉の数々が散りばめられています。
そして、気がついたら登場人物達の驚きの関係性、心情、…更には衝撃の展開に圧倒されっぱなしでした。この予想できない展開は…必読です! 自信を持ってオススメしたいと思います!

★★★ Excellent!!!

未来の視点から始まり、そこへ至るまでの男と少女の出会い、そして絡み合う様々な人間ドラマが、非常に巧みな描写と共に語られていきます。
かつて夢を追い、諦めた男律人と、類まれな才能を持ちながらもその夢を諦めざるを得ない状況にいる女子高生真莉愛。ある夏の日に彼らは出会い、そして互いに無くてはならない存在になっていきます。

中盤から終盤にかけて一気に惹きこまれ、そして冒頭にあった未来のシーンがちらつき、ある「予感」を抱えながらも読み進める手が止まりませんでした。

タイトルにある「ふたつの夢」とは? そして二人の行く末は?
コンサートのように、心が揺さぶられ、読み終わった後に言葉に表すことのできない感動の余韻が生まれる作品です。
夢を諦めてしまった方、今まさに夢を追っている方、まだ夢が見つからない方、誰の心にも響くことは間違いなしです。

★★★ Excellent!!!

一度みた夢は心のどこかに隠れ住み、それは何かのきっかけで再び姿を表す。或いは、形を変え誰かに託すことができる。
たとえ現状がどんなに困難で、絶望的でも夢を叶えるきっかけはどこかに身を潜めている。

夢を失い、家族を失い、ただ生きていた男が一人の少女と出会う。ピアニストという夢を持っていた二人の出会いは、ショパンの音楽が繋ぎ多くの人の音と共鳴し、一つの曲を生み出していく。

その過程は楽しいことや、美しいばかりではなく、苦しく理不尽なことも多くある。それでも、苦しみ悩み必死に奏でる音は飾りのない等身大の曲を届けてくれる。


人の優しさ、強さ、可能性に触れることのできるこの作品を読んでみませんか? きっと心地よい音楽に包まれ、暖かい気持ちになれると思います。

★★★ Excellent!!!

ご縁があり、この物語に出会いました。読み終えましたので、レビューさせていただきます。

生きる目的を見失い日々を惰性で過ごしていた主人公の男性が、アパートの玄関前で座り込んでいた少女と出会うことから、物語は始まります。

その出会いは、おそらく必然だったのでしょう。関わっていく内にやがて主人公の彼は、己の過去と彼女を重ね、前を向き始めます。

この物語の見所は、濃厚な人間ドラマでしょう。主人公の彼とヒロインの彼女はもちろん、他の主要な登場人物達の思いに触れられそうなくらい書いてあり、いつしか彼らに引き込まれていきます。
特別なことなんてない、ありふれた思い。だからこそ、読んでいて共感してしまったと、私は思っております。そして思わず読み進めてしまった、作者様の見事な腕前ですね。

彼らの息遣いさえ聞こえてきそうな、彼らの物語に飛び込んでみませんか?
他の皆様も是非読んでみてください。

★★★ Excellent!!!

まるでセッションを聞いているよう。
最初はなかなか不器用な二人。
それが、多くの出来事を乗り越えたり、
体験をしたり、お互いの過去を受け入れながら
着実に前に進んでいく。

美しい文章に騙されちゃいけない。

最初こそ緩やかに感じるかもしれないけど、
転調、変調、さらには色々な人を巻き込み
そして、向き合いながらのオーケストレーションさながら。
物語に飲み込まれていくから。

メロウでセンチメンタルで
そして、時々本当にスイートで。

物語はまだまだこれからですが、
読んでいて応援したくなるし
優しくなる。

この旋律に、耳を傾けてみませんか?

★★★ Excellent!!!



苦難に愛された主人公律人の日常
は灰色でした。彼には生きること
への希望なんてない。なんなら、
死のうが生きてようがどちらでも
良さそうな、無気力状態。
そんな彼が、突然、そうも言って
られなくなりました。きっかけは
少女、真莉愛との出会い。

年齢も性別も異なる二人を繋ぐの
は『ピアノ』そして『ショパン』。


例えばショパンの有名な言葉通り、
幸せは僅かな間だけしか訪れない
ものだとしても。既に十分すぎる
ほどの喪失を経験してきた二人に
どうか早くその時間がやってきて
ほしい。読み進めるごとに、そう
願わずにいられなくなりました。
これほどまでに繊細な描写を前に
して、感情移入しないなんていう
のは、とても難しい話です。。。

どこまでも美しい文章で描かれる
甘みを帯びた切なさに、心が揺ら
される。そんな感覚の虜になって
続きを待ち侘びてしまう、そんな
作品です。

★★★ Excellent!!!

 地の文が多いんですが、それを感じさせないくらい読みやすくて、読んでいると情景が容易に浮かぶほど想像力をかきたてる文体でした。

 やっぱり文体が個性的で、これぞ純文学を読んでるという気持ちにさせられました。

 ショパンの練習曲でつながる二人の関係に頬がゆるみました。事情は違えぞ、それぞれショパンに思い入れがある、という描写が良かったです。