大言壮語

真花

大言壮語

 私は純文学がやりたい。現在のレベルがどうかは置いといて、そう言う気持ちでやっている。ギャグも書くが、それにはそれの動機があるものの、書きたいものとしては二番手だ。

 私はカクヨムが好きだ。主たる理由は雰囲気。他のサイトも覗いてみたけど、やはりカクヨムがいい。


 でも、ここで困ったことが生じる。

 カクヨムは純文学に関心がなさそうで、ジャンルにすらなくて、一年やってみたところ書き手も読み手もそう多くはない。だから、ここで書いていて、書き続けるだけで、いいのかと言う疑問が生じる。

 他のジャンルなら、カクヨムから書籍化と言うルートがあるが、現代ドラマではそう言う例もあるものの、純文学作品で書籍化と言うのは調べた限りではない。カクヨムに書き続けるだけで、一般的に認知される小説家になるのは現段階では厳しいのだと思う。

 純文学の場合は新人賞への公募が主なデビューのルートで、じゃあそっちに出せばいいじゃない、とは当初は思えなかった。理由は五つのメインとなる公募(群像新人文学賞、すばる文学賞、新潮新人賞、文藝賞、文学界新人賞)が、未発表作品のみを公募しているから。カクヨムに慣れていると、出来た作品はアップしたいしすぐに反応を見たい。公募の場合締め切りから半年くらいは発表まであり、その間に他の誰にも作品を読ませられないと言うのが苦しい。

 何でそこが苦しいのかと考える内に、私は小説家になること自体が目的ではなくて、多くの人に作品と出会って欲しいための、手段としてカクヨムや公募を捉えているのだと気付いた。公募は通れば多くの人の目に触れる作品になるが、結果が分かるまでの間はアップ出来ない状態で待つ時間がかなりあり、落ちたことが分かってからアップしなくてはならないからそれまでは誰の目にも触れない、結果の二極化が大きい。カクヨムの場合はある程度の人数の人に読んでもらえるが、実数は割と低い。

 さあどうする。

 そのときに、カクヨムのユーザーのある方が公募に行ってみてはと言ってくれた。特に相談した訳ではなくて、たまたまそう言うコメントを頂いた。それから、長編を公募に出すと決め、送っている。確率が低くても、多数に読まれる可能性の方に賭けて、落ちたなら半年後にアップすると言う構えにした。並行してカクヨムにも書いているが、量が減った。公募はまだ一作品も結果は出ていない。


 そして私は野望を持つ。

 カクヨム初の純文学新人賞受賞者となって、カクヨムに純文学の嵐を生む。


 ……初は逃すかも知れない。素晴らしい文学作品にカクヨムで幾つも会っているから、彼ら彼女らが先に獲ることは十分あり得る。それでも目指す。


 受賞した暁には、カクヨムに純文学のためのフィールドを作るように要望したい。きっとそれくらいの影響力は生まれると思う。

 一番大事なのは、カクヨムから純文学の小説家がデビュー出来る環境にしたい。それには書き手、読み手が集まるのは当然必要で、そこに編集者的な人、つまり商業に繋げる人が来なくてはならない。多分、この出会いの場所としてのプラットフォームになると言うのが具体的な目標になる。それには社会的な認知も必要で、ネット純文学と言えば、カクヨムだよね、と言われるくらいにしたい。


 他には、

 ジャンル「純文学」を作る。

 肩書きシステムを作ってもらい「純文学」を書いていると名前で分かるようにしてもらう。それで検索も出来るようにする。現在は純文学書く人を探すのが結構困難だから。

 サロンを作る。今のイベントでは、作品で集まる形だが、例えば「純文学一年生」とサロンを作ったら、そこにユーザーを登録する。チャットは要らない。あくまでそのサロン名でユーザーを探すことが目的。理由は同上。

 キュレーションシステムを作る。具体的な方法は未定だけど、ガチの読み専と言う生き方がもっと表舞台に出ていいと思う。

 純文学のコンテストをする。商業とコラボもする。

 中編賞もやる。1万字以上の文字数帯にも、いい作品がゴロゴロある。


 そして、カクヨムはネット純文学のメッカになる。

 今ならその地位は空白だから、狙い目だと思う。


 素敵な未来だ。

 この状態になれば、純文学書きの人が、読まれないことに悩むことも、デビューとネットの解離に苦しむことも、自分がどれくらいの位置にいるか分からなくて迷うことも、なくなって、きっと刺激を受けあって、より素敵な作品が生まれる。もちろん、私が賞を獲らなくてもカクヨムがこうしてくれたらそれでも、いい。

 でも、出来ることなら自分の力で賞を獲って、カクヨムに改造案をゴリゴリしたい。



(了)

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