大切なものを失った銀髪の魔導士と異世界人の青年。彼らの新たな旅路は——

 大切なものを失ってしまった銀髪紫眼の美貌の魔導士セトルヴィードと異世界からやってきた青年コーヘイ。ひょんなことから幼い子供を世話することになった彼らが巻き込まれる次なる事件は——?

 とにかく誰でも甘やかしがちな、人たらしのコーヘイさんにきゅんきゅんしていると、思わぬ過酷な運命が開示されて唖然とするのはもうこの作者さんの十八番という感じで、くううっとハンカチを噛み締めてしまいます。

 セトルヴィードと「彼女」の面影を宿す少女に、あれ、これはもしや……? とありがちな展開を想像してしまうところですが、あにはからんや、その展開の意外なことといったら……! もう、もう……最高なんですよ!!

 苦難の多かった二人に訪れる、ひとつの救済。
 そして、もうひとり、異世界からの来訪者の彼女の切ない思いの変化と幾つもの要素が絡み合う多重奏のような物語。

 さらに彼らの行く末が気になってしまうこの続編。前作をお読みの方はもちろんのこと、前作未読の方も何ならこの物語からでも、ぜひあの二人の絆に悶えていただきたい一作です(率直)

 あ、あと個人的にはなんだかんだコーヘイさんがばしっと自分の負債を返したあのシーンが大好きです!

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