概要
ふたりの『正しい距離』は、どこにあるのだろう
『「5分で読書」短編小説コンテスト』参加作品です。
新型感染症の流行を経て、日本人は『リング』と呼ばれる装置を使ってソーシャルディスタンスを確認する様になっていた。許可なく相手に触れる事がタブーになった社会では、手を繋ぐ事も自然にはできない。
そんな中、高校の卒業式を迎えた女子高生の『私』はひとりで下校するが、『帰宅拒否部』として共に過ごした『後輩君』から呼び止められる。ちゃんとお別れを言えなかった後輩は、先輩である『私』に近付いて行く。
一体、ふたりの正しい距離はどこにあるのだろう。
『私』はそれを見付ける事ができるのだろうか。
新型感染症の流行を経て、日本人は『リング』と呼ばれる装置を使ってソーシャルディスタンスを確認する様になっていた。許可なく相手に触れる事がタブーになった社会では、手を繋ぐ事も自然にはできない。
そんな中、高校の卒業式を迎えた女子高生の『私』はひとりで下校するが、『帰宅拒否部』として共に過ごした『後輩君』から呼び止められる。ちゃんとお別れを言えなかった後輩は、先輩である『私』に近付いて行く。
一体、ふたりの正しい距離はどこにあるのだろう。
『私』はそれを見付ける事ができるのだろうか。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!離れたくないからこそ、後輩君は追いかけて、踏み込んで来たんじゃないかな
感染症の、距離を取るために開発されたアイテム。猛威が去った後も、そのアイテムは普段使いとして、生活の中に残っていた。
他人との接触を監視するそのアイテムは、許可を与えられていない者が近づくと注意を促し、接触されると自動で通報されるという。
卒業式の日、人知れず校舎を後にする主人公を追いかけてきたのは、同じ部の後輩君。
それまでの、たったひとりの部が、彼がやってきたことで、なにかが変わろうとしていた。その矢先の卒業。そのわけを思い知らされたくなくて出てきたのに、彼は追いかけてきた。
後輩君が縮めた距離を、アイテムが無情に警告し、通報する。
この後、主人公は、後輩君のその手を…続きを読む