第8話
結論から言えば、わたしは死んでいなかった。
生きているのは嬉しいけど、これだけ聞くと
あのあと、わたしを轢いてしまったと
もちろん
――これはその道中を切り取った、ごくとりとめのない一場面である。
「つまるところ人でなしの夢、か」
わたしから悪夢の
「
「反省してますー」
「無数の箒に追われたというのは、ひとえに
「じゃあお母さんがいたのも?」
「夢で会ったのか」
「んー、多分」
わたしが
どんな顔だったか、どんな声だったか。正直なところよく覚えていない。
でも、あの場にいろんな魂が掃き集められていたとして、その中にわたしを助けてくれる巫女装束の女性がいるとすれば、それはきっとお母さんだ。
わたしはそう信じようと思う。
どんな形であれ、自分の目でちゃんと見ることができたから。
「箒は古くは『ははき』と呼び、
「お父さんたら、また見てもいないのに信じちゃって」
「そりゃあ信じるとも」
お父さんは座りながら
気づけばタクシーは、わたしのよく知る
「今もこうして、ミキの隣にいるのだからな」
いつしか箒になっていた 水白 建人 @misirowo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。いつしか箒になっていたの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます