野球が日本に入ってきたのは明治時代
アメリカですら南北戦争のころに広まったらしいですが…
バリバリの中世的な世界に、近代野球がいきなりカチコム!
雰囲気的には大正野球娘。的な感じですが、王太子殿下の投げる玉をただ捕るだけです。
ただ捕るのがガチな貴族御令嬢…。
中世ヨーロッパ的な淑女である貴族令嬢がキャッチャーをすると言う、恐ろしい世界観のお話ですが、作者がそれを逆手にとって話はテンポ良く進み、毎回とても面白いです。
中身はスポコン?ですが、ゆるりゆるりと進むお話は飽きません。
野球は知らないけどサッカーは知っているという方でもキャッチボールくらいはご存知かと…その程度の知識でも充分で、それすら知らない方は主人公と同じ視点で一緒に進めるのでなんの問題もありません。
初のレビューなので上手く書けないのですが、こういった作品をもっと多くの方々が読んで欲しいという思いで書きました。
面白いですよ?
WBC前にぜひ書籍化して欲しい‼︎
こちらの作品を読んでいて心底そう感じた。
野球が好き、野球を全く知らない、野球の知識が中途半端な人……全員が楽しめるのがこちらの作品だ。
(野球の知識が皆無なのに試合を見に行き混乱していた私がいうので間違いない)
野球好きの王太子に恋をした野球を知らな令嬢が頑張る恋のお話。
……ただ、この恋で頑張るのはダンスや作法などの令嬢教育ではない。
なんと、野球なのである。
令嬢×野球という新しい着眼点のこの作品。
目新しさだけではなく、文章力とキャラクターの心情描写に定評のある作者が書き上げるストーリーが本当に面白い。
さらには野球好きな作者が書く野球場のシーンは、とてもリアルで、野球場の雰囲気がこれでもかと伝わってくる。
さあ、主人公は王太子の球をとれるのか?主人公の想いはどうなるのか?
ぜひ、貴方の目でお確かめを。
そして、もう一つ。
野球を知らなくても十分に楽しめる作品ですが、作品を読んでいて野球に興味持った方はページ下に書かれる野球の豆知識(?)も、ぜひ注目していただきたい。
分かりやすく書かれているので野球の知識皆無な人でも野球へ理解を深められるようになっている。
突然ですが、野球ではキャッチャーのことを「女房役」と表現することがあります。
華やかに見えてマウンドで孤独に戦うピッチャーを陰から支える内助の功、グラウンドで唯一スタンド側を向くキャッチャーは「扇の要」とも言われる大切なポジションでもあります。
そしてこのお話は、そんな華やかで孤独なピッチャーである王太子の文字通りの「女房役」――つまり王妃をキャッチボールで決めようというのです。
一見すると、それはとても無茶苦茶な設定に見えます。
けれどひとたび蓋を開ければ、作者様の野球に対する知識と愛情がそこかしこに見受けられ、野球のルールすら知らないのに頑張るヒロインを自然と応援する気持ちが湧き上がって来ます。
かの有名な「シンデレラ」だって、一晩ダンスを踊った相手を探し、靴が履けたというだけで王妃になれるのです。王太子が投げる球を見事に全て取れたら王妃になれる。そんな国があっても良いと思いませんか。私は良いと思います。
でも今作のヒロインはガラスの靴の持ち主でも、生まれながらの素質を持つ名キャッチャーでもありません。
奇跡が起きるのを期待するのではなく自らの手で掴み取る為に、努力をする必要があります。
もちろん、お約束的に立ちはだかるライバルとなる令嬢もいます。
ついでに王太子は野球バカの脳筋です。それはもう清々しいくらいです。でも、それがまた良いのです(私の好きなSFFも投げるしね!)
頑張るヒロインを手助けしてくれるキャラもいます。
そう、ここまで書けばお分かりいただけるかと思います。
この作品は貴族の恋愛と野球にかける情熱とが同時に存在する、小説界の二刀流プレイヤーです。甘酸っぱいときめきと、汗と血と涙に塗れたスポ根が一作で味わえるのに胸やけしない、恐るべき作品なのです。
ヒロインの努力・友情・恋愛、それらが絶妙に絡み合いながら進む試合の結末を、あなたも一緒に見届けてはみませんか。
このお話は、身分の低い女の子が、憧れの王子様のお妃さまを夢見て、他の候補者とバチバチ火花を散らしながら選考会で奮闘する、王道シンデレラストーリーです。
ただし選考会の内容は、なんと、王子様の投げる球を捕球すること!?
異世界で野球?
お嬢様が野球??
しかもキャッチャー!?
異色の組合せですが、これが意外とアリなんです。
いや、アリどころか、めちゃくちゃ面白い!!
野球の知識がなくても、令嬢ものが好きな方は楽しめます。
令嬢ものに馴染みがなくても、野球好きな方は楽しめます。
両方好きな方にとっては、たまらない作品となっております!
なお、作者様の野球愛(捕手愛)あふれる解説・小ネタも見所の一つ。
スポ根×貴族令嬢です。
野球知識って複雑だし難しそう。と思われるそこのあなた。安心してください。
主人公のコニー男爵令嬢が、野球知識ゼロなので大丈夫。一緒に野球を学べます。
それどころか王国自体も、王太子の独断専行状態のために野球知識がゆるーいので、王国全体がふんわり野球なので大丈夫。
組織システムや運営マネージメントなどの専門性はありません。
野球のプレイを1番理解してるのは、観客スタンドで酒飲みながらヤジ飛ばしてるオッサンどもっていうねw笑いました
野球は個人競技ではなく、団体競技。だが、あえて妃候補の選考方法にするアイディアは面白い。
魔法を加味して開発された〝魔球〟の競宴があったら、どストライクだったかも。
野球の作法。ルール。習熟度。そのすべてにおいて底辺理解であるために、野球という〝新しい貴族のたしなみ〟に振り回される、主人公と貴族令嬢たちをお楽しみにください。
この作品はもう、作者様の野球愛がとにかくすごい!
野球を全く知らなくても、高校球児に憧れる少女の気持ちになって読み進められる青春スポーツ小説です。
ちょこちょこ挟まれる野球のルールや戦法も、無味乾燥なルールブックとは違い、憧れの人を近くで見たさにマネージャー枠で入部した風に学べるので憶えるのも簡単。
……と、言いたいところですが、この作品の本題はヒロインがマネージャー志望ではないところ。
憧れの人の打ち込むものに自らも染まろうとする健気でずれたヒロインに、貴方もいつしかエールを送りたくなること間違いなし!オススメです!!