優しく丁寧に紡がれる揺れる想い達

声を失った主人公を中心として登場人物の微妙な心の揺れ、想いが作者独特の優しく軽いタッチの文体で描かれます。タッチは軽いのですが、時に内容は重くなり、そこも読者としては見逃せない部分です。そして会話文を多く含む情景描写が絶妙で映像を観ているよう。キャラクターの魅力も語らずにはいられません。なんといってもトラブルはカッコイイ。そのトラブルを囲むメンバーも性格を上手く書き分けてあり、惹き込まれるには十分です。新しい感覚の人間模様、人間ドラマ。人の温度、体温を感じるストーリーがお好きな方にお薦めします。

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