第3話

「ていっ!とりゃあ!!」


「ナイスっチュ!」


 最初の街の外れだからか、まだ敵は弱い。

 装備なしでも余裕で倒せるレベルだ。

 あまり気にしていなかったが、俺の視界の左側には、Lvが数字で、HP、 MP、経験値の溜まり具合がゲージで表示されており、チュー吉のLv、HP、MP、経験値のゲージも表示されている。

 倒したのは、怖い顔つきをした小型犬のピルーグを4体、その親玉だと思われる大型のピルーグが1匹だ。

 俺とチュー吉の実力が高いのだろう。体力の半分も減らされずに倒すことが出来た。

 経験値も増え、レベルが2になった。


「自分のステータスを見たい時は、左手の人差し指を出して、右の方にスライドさせるっちゅ!」


 言われるがままに、左手の人ささい指を右にスライドさせた。

 すると、俺の体の正面の下の方に、ステータスが表示された。

 そこには体力、攻撃力、防御力、剣のスキルレベルが表示されている。

 今すぐには確認する必要がないし、最初は高が知れているから確認しなくていいか。


「いい感じにお金も溜まったし、街に戻るか。武器も買えるだろう。」


「そうっチュね!」


 これでいくらかマシな武器が買えるだろう。

 そう思いながら街に戻った。


「…あれ、あの看板なんだ?」


 さっき通った道には無かったが、そこには看板が立っていた。


「あれはクエストを受けられるボードっチュ!」


 クエストか。

 手っ取り早くレベル上げとお金稼ぎをするならその辺の敵を倒すより効率がいいかもな。


「っとその前に、敵を倒すための武器と防具を揃えないとな。」


「そうっチュね!案内するっチュ!」

 

 チュー吉に案内されるがままに、俺は武具屋へ向かった。

 

「武具屋へようこそ。あら、初めての方ですね。」


 武具屋の中へ入ってみると、そこにはカウボーイの服装をした、大人の顔立ちの女性が挨拶してきた。

 私生活では、男に囲まれ仕事をしていた俺には、ドキドキするシチュエーションだ。


「あの、剣の装備が欲しいんだが。」


「剣ですね。ダガーナイフと小さい盾のセット、長剣と小さい盾のセット、長剣の2本セット、大剣があります。初めての方でしたらダガーナイフと小さい盾のセットがおすすめです。」


 なるほど、おすすめはダガーナイフと小さい盾のセットか。

 また競争率が高そうだから別の装備にするか。


「逆に人気のない武器はどれだ?」


「一番人気がないのは大剣です。防御は剣で出来るのですが、大きすぎて動きづらく、人気がないんです。」


「じゃあ、その大剣で頼む。」


「畏まりました。1000Gでございます。」


 この世界のお金の単位はゴールドだ。

 さっき倒した敵でちょうど合計1000Gを獲得できたので、買える事になる。


「よし、武器は暫くこれでいいか。」


「よかったっチュね!クエストボードの所に向かうっチュ!」


 クエストをこなせばもっとゴールドが溜まるしもっと経験値を積める。

 もっと強くなって誰よりも先にクリアする。俺はそう心に誓った。

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