第4話

 チュー吉に案内され、俺はクエストボードの内容を確認した。


「なるほどな。最初の街だしまだ簡単なクエストしかないか。」


 はじまりの街だし、レベルも低いし、しょうがないか。

 クエストは、納品依頼、ピルーグの討伐、大型ピルーグの討伐だ。

 クエストをこなせば、新たばクエストは出てくるのだろうな。


「とりあえず、簡単な納品依頼からこなしてみるか。」


  クエストの内容を確認してみる。


「まずは薬草の納品からやってみるか。」


 回復する必要がなかったので気にしていなかったが、ピルーグを討伐した場所で薬草が落ちていたことを思い出した。


「よしチュー吉、さっきの場所に行くぞ!」


「了解っチュ!」


 先ほどのピルーグを討伐した場所へ向かう。


「なぁチュー吉、このクエストって他の奴はクリアしてるのか?」


「クリアしてる人はいるっチュね!」


「そうか。クリアしてる人がいるのに、さっきから人の姿が見当たらないんだが…」


「忘れてたっチュ!初期設定だと他のプレイヤーの姿が見えないように設定されてるっチュ!他のプレイヤーの姿を出すっチュか?」


「そうだな。頼む。」


 …おいおい。

 道理で他のプレイヤーが見当たらないわけだ。

 チュー吉が設定をしてくれたのか、他のプレイヤーのオブジェクトが形成されていった。


「…えっ!?誰??」


「こっちのセリフだ。お前は誰だ?」


 このゲームにはプレイヤーが10万人に上る。

 故に、他のプレイヤーを映し出すのは時間がかかると思っていたが、思った以上に早く、足元にあった薬草を取ろうとした時、誰かの手が触れた。

 その女性の容姿は、自分の身長よりも背が低く、大人な顔立ちで猫顔だ。

 年齢は年上に見えるな。


「私はサクラ!こっちはローランよ。あなたは?」


「アヤトだ。こっちはチュー吉。」


「よろしくっチュ!…チュー!!!」


「あら、よ・ろ・し・く・ね♡」


「なにするっチュ!!」


「こらこらローラン、止めなさい!」


 サクラの精霊は猫だ。

 チュー吉は嫌がっていたが、ゲーム内の設定も現実の世界と一緒みだいたな。


「サクラも薬草のクエストをやっていたのか?」


「ええ、そうよ!一緒にやる?」


「なぁチュー吉、クエストって一緒にできるのか?」


「できるっチュけど、今のクエストは一緒に受注してないから別のクエストっチュ!」


「そうか。それならこの薬草はサクラが持っていくといい。」


「え!?いいの??」


「薬草ならそこらじゅうに生えてるからな。」


「ありがとう!じゃあアヤトの分も探すね!」


「いいのか?助かる。ありがとう。」


アヤトとサクラは薬草を揃え、納品しクエストを達成した。

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