第7話

「さっきと同じ場所か。地形は慣れたし、さっさと倒すぞ。」


「まぁまぁ、そんなに熱くなっちゃダメよ。」


 たかがゲームだが、ついつい熱くなってしまう所を、サクラに見抜かれてしまった。

 熱くなると楽に勝てる戦いも勝てなくなるので、落ち着こう。


「明らかにデカいピルーグがいるな。あれがグランピルーグか?」


「そうっチュね!頑張って倒すっチュ!!」


 グランピルーグの周りにはピルーグが5頭いる。

 9頭よりは楽だが、親玉がいるので油断はできない。


「気づかれたな。いくぞ。」


「周りは任せるっチュ!アヤトとサクラはグランピルーグを倒すっチュ!」


「あんまり死亡フラグを立てるような発言はするなよ。おらあっ!」


 グランピルーグの頭に重い一撃を入れる。


「やあっ!」


 怯んだ所に、サクラが連撃を打ち込んだ。


「きゃあっ!」


「くっ!」


 俺とサクラが噛みつかれ、ダメージを受けてしまった。


「あら、ご主人様になんて事してくれるのかしら。」


 ローランがグランピルーグの顔を引っ掻き、視界を眩ませた。


「サクラとアヤトは今のうちに回復しなさい。」


「ありがとう。ローラン。」


「了解。助かる。チュー吉、そっちはどうだ?」


「…チュー!!」

 

 苦戦はしているが、大丈夫なようだ。

 あと2匹か。大丈夫そうだな。


「よし、この調子で倒すか。」


 ダメージは食らったが、倒せない相手ではないな。


「サクラ、ローラン。もう一度行くぞ。」


「了解!」


「ええ!」


 一応レベル的には始まりの街でもあるし、そんなに強くはないはずだ。

 この調子で倒せるはずだ。


「きゃあっ!」


 サクラが悲鳴を上げた。

 サクラの方向を見たら、体力が残り1になっている。


「サクラ下がって回復しろ!ローラン!また目眩しを頼む!!」


「間に合わないわ。」


 グランピルーグがサクラを目掛けて走っていき、飛びかかった。


「間に合えっ!とりゃあっ!」


 グランピルーグが突っ込んできた所に大剣でガードを入れ、そのまま弾き返して剣を振り、グランピルーグのオブジェクトが消滅した。


「終わったな。」


「ありがとう。助かったわ。貸しができちゃったわね。」 

 

「貸しなんて別にいらない。その代わり1つお願いしていいか?」


「なに?」


「このまま、俺とチームになってくれないか?」


「何恥ずかしがってるのよ。いいわよ。チーム組みましょう。」


「ありがとう。女慣れしてないからな。」


「可愛いわね。女の子と付き合った事ないの?」


「ない。あんまり考えたこともないな。…って、何だこれ?」


「これに乗ったらワープできるのかしら?」


 目の前には水色に光っている、いかにもワープホールのような床が出現した。


「見た目からしてそうかもな。乗るか。チュー吉、来てくれ。」


「はいっチュ!」


「ローランも来てね。」


「いるわ。」


 俺たちはワープホールに乗った。

 目を閉じ少し経つと、優しい空気に包まれた。

 目を開けた時には、見慣れない街が目の前に広がっていた。

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フリーダム・ハンティング・オンライン 内海友太 @utsumi_yuta

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