女神は、人を愛するように、「作られている」理不尽さ。それでも、その気持ちが、自分の気持ちであることを疑わず、精一杯愛する者のために生きている。その一途さから美しい魅力的な物語が生まれていく。
私にとってストライクのストーリーで、すごく面白いし、考えさせられます。
スピルバーグのAIが、一番好きな映画です。
この作者の他作品である勇者のクズも同じテーマを持っているように感じていて、とてもおもしろいです。
私達も、他人を愛するように「作られていて」、その心の動きに、振り回されて生きていると思います。女神と自分たちは、本質的には違いはない。たがらこそ、困難を超え生きることで、生まれる物語に心が動かされます。
今後を楽しみにしています!
「勇者刑とは、もっとも重大な刑罰の名前である。」
この最初の一文だけで、もうこれは面白いと確信しました。硬質な印象の文体で紡がれる物語はとにかく大胆で、イカれた性格破綻者がクズな行動をしているだけなのに英雄譚を作り上げてしまう展開には大爆笑必至です。かと思えば主人公と女神の関係がどこか切なく愛しく思えたり、底知れない敵の暗躍にドキドキしたりと、シリアスとコメディのバランスが本当に絶妙で飽きさせません。
勇者と魔王というテンプレートな素材を使って、ここまで個性的かつ面白い物語を作り上げた作者様のセンスには脱帽です。魔王現象と戦い続ける勇者の行く先には何があるのか、ぜひ多くの読者さんとともに見届けたいと思います。