人と異形……かつては敵対した存在がやがて心を通わせる優しい未来の御伽噺


 かつて世界を混乱に満たし人類を危機に陥れた存在、【異形】……。戦いはやがて異形の侵入を阻む境界を造り棲み分けを行うことで人類の安定期に入る。

 それから時代が過ぎても人類は未だ異形との戦いを続けていた。そんな中、研究者である『陸奥』が地方の異変の調査を始めたことで『アサヒ』と出逢い新たな事実を知ることになる……。


 とにかく作品の世界観が優しい。残酷な過去や戦いは確かに存在しているものの、陸奥の視点から描かれる心の交流は読んでいて優しくなれる。そして当時に切なくもなります。
 異形はもう脅威の存在ではなく、寧ろ人間よりも優しく温かな存在……アサヒとの交流でそれを知ることになった陸奥にとって大切な【世界】となっている。

 しかし、未だ人間は異形の優しさを知ることができない。その橋渡しになれるかは陸奥さんに掛かっているのです。

 登場する異形はコミカルで楽しくホッコリする程。次はどんな異形がと楽しみになっているのも作品の良さですね〜。


 穏やかで心優しくなれる作品をお探しならオススメ!

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