第35話 誕生日
私は実家の自分の部屋の片づけをしていた。
窓を開けて風を入れている。
私が、ずっと過ごしてきた部屋。
窓を開けるのは何年ぶりだろう。
階下からは、健司さんとミキちゃんの声が聞こえてくる。
今日は私の誕生日。
25歳になった。
24歳の私には本当にいろんなことがあった。
まさか、この私が男性とお付き合いするようになるなんて思ってもみなかった。
初めての恋。そして、きっと最後の恋。
そろそろ、下に降りましょうかね。
窓を閉め、カーテンを閉める。
部屋を出ようとして、なんとなく振り返る。
すると、ベッドの上に10年前の私がいるような気がした。
がりがりに痩せていて・・ベッドの上で毛布をかぶって震えている。
その子に私は言った。
”私は今は幸せだよ。だから・・・頑張ってね”
私は、涙をハンカチで拭いた。
私は、この部屋から卒業していく。
きっと、これから幸せな日々が待っている。
そう信じている。
じゃあね・・・
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