命の数だけ幸せがあり、幸せを選ぶ自由がある!!

本作はアンドロイドで同性愛という、一見すると非常にセンシティブな題材を扱っているように見えますが、その実とても明るく、緩く、朗らかにそれらのテーマを昇華しています。

ずばり、本作を最後まで読み終えたとき最も私の心に残ったのは、
『自分の幸せを自分で選ぶことの大切さと、選ぶことの出来る尊さ』です。

平和な現代日本ですら、氾濫する情報に翻弄され、自分が本当に求めている幸せを見失う人が多いように感じます。

本作で描かれる時代にはそこに更にアンドロイドの存在というもう一つの大きな環境変異が発生しており、現代社会よりもさらに幸せの形は多様に、複雑になっています。

しかし作中に登場する人物は、人間も、アンドロイドも、全員自分で自分の幸せを探し、見つけた幸せの形を離さぬように、壊さぬように、懸命に生きています。

幸せの選択肢、自由度が上がったことで新たな幸せの形が確かに生まれ、かつては見つけることができなかった幸せを手に入れた日々が確かに作中には息づいています。

たとえ何年、何百年経とうとも、私はそんなみつけた幸せのために懸命に考え、行動する姿に感動を覚えるでしょうし、ずっと賞賛し続けるでしょう。

ぜひ軽い気持で本作を手に取り、読んでみてください。

幸せを探すことに肩肘を張ったり必死になる必要は無い。

ただ素直に、自然体で暖かくその幸せを認め、受け止めるだけで良い。

本作はそんな大切なことを再確認させてくれた気がします。

ありがとうございました!