哄呑

キチキチキチキチキチキチ……

カラカラカラカラカラカラ……


私はズットその音が気になって気になって仕様がなかった。


キチキチカラカラキチカラカラ……


それはまるで私のこの脳味噌の中で、何かが哄笑しているような音だった。


……キチキチキチ……カラカラカラ……


その笑い声はトテモ大きく……執拗しつこく……。

聞いている内に、私まで何故だか愉快な気持ちになってきた。

何者かが私のチッポケな脳味噌の中で声を張り上げて笑っている。

ナンダカ、馬鹿に愉快じゃあないか……。

そのうちに、私は一緒に大声で笑いたくなった。

いざ大声を出すべく口を大きく開く。

すると、ズルリ

とそのキチキチカラカラが私の脳味噌から溶け出して、そのまま下に流れて、

ツルリ

と喉を通って行った。

そいつらは私の腹の中でも


……キチキチキチ……カラカラカラ……


と笑うものだから、私の腹が二三度ブルルルル……と震えて、

静かになった。


私はまた愉快な気持ちになったので、ソレハモウ高らかに哄笑した。


アーハハハ、アッハハ……ハハハハ、アハアハアハ……。

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