「おはようございます」


「おはよう。大枠の予算と体育館の日割り」


「え?」


「あ、そっか。すまん。忘れてくれ。それは俺の仕事だった」


 夜の帳を降ろした後、記憶を失ってるんだっけか。そうなると、帰り道で言った予算と体育館の割り当ての話も、していないことになる。


「はい。どうぞ。予算と体育館の日割りです」


「ん?」


 目の前に。書類が3枚。


 1枚は予算で。


 もう1枚は体育館の日割り。


「覚えてたのか?」


「3枚目をどうぞ」


 大きな文字で。


 でかでかと。


 わたしも好きです。


 と、書かれてあった。


「わたし。記憶力には自信がありますので」

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夜の帳を蹴り飛ばせ(15分間でカクヨムバトル) 春嵐 @aiot3110

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