02

「そうだ。そこらへんだ。ないか?」


「あっ。あったあった。ありました。スイッチ」


「よし。同時に押すぞ。せえのっ」


 スイッチと共に。


 陽が沈んで。


 夜が来た。


「よし。よしよし。なんとか夜が来た。これで終わりだ」


 星が出る。


「きれい」


「帰るぞ。時間はそのままなんだ。もう21時だ」


「あの」


 走り出そうとした彼を、呼び止める。


「なんだ」


「いつも、こんなことを?」


「まあな。場所がやばくなったり色々時間が必要なときは。警察と協力して爆破予告を出してるんだ」


「え。爆破予告って」


「まあ、そういうことだ。お前の記憶もなくなるから、最後にひとつだけ言っておこうか」


「え。あの。え」


「好きだ。お前のことが。じゃあな。また明日、生徒会で」

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