過酷な現実の待つ異世界で、少女は変わっていく

8歳までの記憶がなく、どこか情緒不安定だった少女、沙薇。そんな彼女が成長した時、異世界から一人の使者(イケメン)がやって来ました。
彼が言うには、沙薇は元々その世界の人間で、しかも特別な存在。そして自分は、そんな沙薇を迎えに来たと。

ここまで書くと、あとはその異世界に行き、そこで素晴らしい出来事が待っていると想像するかもしれません。しかしそれは、半分当たりで、半分外れ。やって来た異世界。いえ沙薇本来の世界で待っていたのは、自分がドラゴンの選らばれし巫女であるという事実。そしてその生まれ故に、多くの人から恐怖と憎悪を向けられているという、過酷な現実でした。

かなりハードな世界観で展開される異世界もの。ですかそれだけに、主人公沙薇の抱く感情や変わっていく姿に説得力があり、読んでいて力強さを感じます。

そして個人的に注目したのが、沙薇の幼馴染みのマセコ。とはいっても、最初から好きだった訳ではなく、むしろちょっと苦手なキャラかと思っていました。なのに話が進むにつれ、次第に彼女の存在が必要だと思っていくことに。
主人公やそのパートナーが魅力的なのはもちろんですが、サブキャラが良いというのは一つの良作の証です。

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