ラーメン食べたい。

夏艸 春賀

声劇台本


《諸注意》

※ツイキャス等で声劇で演じる場合、連絡は要りません。

※金銭が発生する場合は必ず連絡をお願いします。

※作者名【夏艸なつくさ 春賀はるか】とタイトルとURLと配役の記載をお願いします。

※録画・公開OK、無断転載を禁止。

※雰囲気を壊さない程度のアドリブ可能。

※所要時間10分。女二人のサシ劇台本。




《役紹介》

木ノ下 美咲(キノシタ ミサキ)

見た目は20代後半〜30代前半

かしましい

人妻、娘が二人いる

可愛い系、一人称『私』



茅場 八重(チバ ヤエ)

見た目は30代

口が悪い

半妖(吸血鬼)

美人系、一人称『俺』




《配役表》

美咲(女):

八重(女):




↓以下本編↓

────────────────────





《深夜、起床した美咲。以下メール中。》


美咲

「おはよー……寝てたー……」


八重

「あぁ、おはよ。まだ深夜だし、寝れる時に寝とけ? 疲れてんだろうからな」


美咲

「うん……えへへ」


八重

「は? キモ」


美咲

「いや、酷い(笑)」


八重

「それはすまん。なんだよ、どうした?」


美咲

「いやー、なんか。ありがと」


八重

「何が」


美咲

「サラッとそういうこと言ってくれるんだもん。優しいよね、ほんと」


八重

「そうかねえ? 普通だろ」


美咲

「うん、でも、嬉しくなった。ありがと」


八重

「はいはい、どういたしましてー」


美咲

「……──あ」


八重

「ん?」


美咲

「……ラーメン、食べたい」


八重

「あー……食うか」


美咲

「深夜だけど」


八重

「だからどうした」


美咲

「いや、うーん……」


八重

「欲望にはあらがうな」


美咲

「うー、でもなぁ……」


八重

「よし、行くか」


美咲

「うーーー……うん、行こう。もう食べちゃお。あ、でも、なんかこう……叫びたい」


八重

「食うのか叫ぶのかどっちかにしろや」


美咲

「えー? じゃあさ、カラオケ行こ?」


八重

「お、叫ぶが先か?」


美咲

「いやほら、カラオケ屋にもラーメンあるでしょ?」


八重

「あぁ、あの不味いラーメンな」


美咲

「え? たまーに食べると美味しくない?」


八重

「美味くはねーだろ。食えるかなーって程度」


美咲

「一人だとめっちゃまずいよね(笑)」


八重

「じゃあ食うなよ(笑)」


美咲

「えー? でもさ、カラオケにも行きたいし、ラーメンも食べたい。そうなったらカラオケ屋でラーメン食べるしかないじゃん」


八重

「……まぁな。一石二鳥だし? おっし、それなら行くか。いつものとこでいいだろ?」


美咲

「うん!」



【間】



《カラオケ店前にて待ち合わせ。》


美咲

「ちょっと、何その格好」


八重

「ん? いや、別に誰に見せるわけでもねぇからいいかと思って」


美咲

「めっちゃ部屋着……え、しかもすっぴん!?」


八重

「おう。化粧とかめんどくせ」


美咲

「はー? すっぴんでその美貌ですか、はー?」


八重

もとカラウツクシクテ、ゴメンナサイネー」


美咲

「はー、ムカつくー! どうせ、どうせ私は! 私なんか!」


八重

「可愛いよ」


美咲

「へ?!」


八重

美咲みさきは可愛いよ、化粧してなくても」


美咲

「え、いや、あの」


八重

「可愛いよ……」


美咲

「はいストップ。そこ、おい、口説くな」


八重

「あっはは。さーて歌うかー」


美咲

「なっ! おいこらぁ!!」



《店内にて。》


八重

「二人で、はい。あー……ねぇ、部屋で吸っていい?」


美咲

「煙草? いいよ」


八重

「じゃあ喫煙室で。……よし、行くぞ」


美咲

「歌うぞー!」


八重

「おー」


美咲

(端末を操作しながら。)

「歌う前にラーメン頼まなきゃ」


八重

「俺、醤油」


美咲

「りょーかい。じゃあ私、味噌にしよーっと。よし、おっけ!」


八重

「ん、よっし。……それではぁ、最初はグー、じゃんけん」


美咲

「ぽん!! ふっ、勝った。八重やえからだね!」


八重

「うげぇ、しょぱな無理ぃ」


美咲

「無理じゃないー、ほらほらー」


八重

「へーへー。

(歌い中。)

 ……ふはー! はい、声出し終わりぃ」


美咲

「よーし、わったしも!

(熱唱中。)

 ……っはー! んっふふ」


八重

「高音出るの羨ま……」


美咲

「いや、八重やえも出るでしょ、それ歌えるんだから」


八重

「いやー、限界っすわー、無理っすわー」


美咲

「つべこべ言わずに次ぃ!!」


八重

「はーん?

 (店員登場。)

 あ、ありがとうございます」


美咲

「わーい、ラーメンー!」


八重

「食ってから歌うか」


美咲

「うん! いっただきまーす!」


八重

「いただきます、と。……ふー、ふー」


美咲

(ラーメン食べながら。)

「ん〜、うま。そんな熱くないって」


八重

「ん、うん……いや、アッツ」


美咲

「猫舌過ぎない?」


八重

「うっさい。……あ、でもラーメン屋のよりは食える」


美咲

「ラーメン屋の、めっちゃ息吹きかけてるもんね。冷めすぎちゃうんじゃないかってくらい」


八重

「めっちゃ凶器だってば。けど熱々も食いたくなる気持ちもあるんだって……そして痛い目見るんだって」


美咲

「そういうとこ可愛いよねー、八重やえって」


八重

「可愛くねーし」


美咲

「はいはい」


八重

「……可愛くねーし」


美咲

「どう返せば正解なの!!」(軽く笑いながら。)


八重

「正解はないかなー、多分」


美咲

「めんどうな子!!」


八重

「歳は俺のが上だしぃ」


美咲

「そんなの関係ないしぃー」


八重

「はん! そんなんだから結婚出来ねんだよ」


美咲

「いや、旦那いるし。なんなら子供もいるし?!」


八重

「ケッ! 人妻子持ちがこんな真夜中にカラオケ来てんじゃねーやい」


美咲

「はー? 気晴らしだもん! 主婦は大変なんだぞ!?」


八重

「はいはい、ソウデスネ。良く頑張ってるよ、ほんと」


美咲

「このやろう……っと、ごちそうさま! 美味しかった!!」


八重

「ごちそうさまでした、まあまあでした!」


美咲

「さーて、歌おう、叫ぼう!!」


八重

「おっしゃー、喉潰すぞー」


美咲

「おー!!!」



【間】



《早朝、カラオケ店前にて。》


美咲

「はー! 歌ったー!! おっはよーございまーす!!!」


八重

「明るくなんの早くね?」


美咲

「いっけない、八重やえが溶けちゃう」


八重

「大丈夫、まだ太陽出てないから平気。……多分」


美咲

「ほんとに? 大丈夫? 帰る途中で灰になったりしない?」


八重

「へーきへーき、遮光服しゃこうふくだから、これ」


美咲

「え、ただの部屋着じゃなかったの?」


八重

「特別な糸で作られてるんだ……だから平気。サングラスは持ってる」


美咲

「そっか、なら安心? だね!! じゃー、私こっちだから。今日はありがと!」


八重

「どういたしまして。俺も楽しかったわ、また行こう」


美咲

「ラーメンはやっぱりラーメン屋さんで食べたいね! そう言えば、坦々麺が美味しいところがあんの、新しく出来たとこなんだけど」


八重

「よし、行こう」


美咲

「え、今から!? いや、まだ開店時間じゃないよ?!」


八重

「チッ」


美咲

「まだ早朝5時過ぎだし。……よし、じゃあ……起きたら連絡してよ。一緒に行こ?」


八重

「オッケー……モーニングコールやな。ふぁ〜、あー」


美咲

「ふふ。お疲れ様。またね」


八重

「おー、おつかれー。おやすみ」


美咲

「おやすみー!」





終わり

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ラーメン食べたい。 夏艸 春賀 @jps_cy729

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