みんな傷ついてここにいる、だからこその不器用で優しい世界

異界に迷いこんだ少女の視点で語られる不思議な世界。
身元を引き受けた絵巻屋と化身によって、少女は『写見』という名前を与えられ、悲喜こもごもの様々な騒動に向き合っていくことになります。
そして随所にちらつく不穏な気配…。

全ての謎が集約する終盤で登場人物たちが背負ったものが明かされていきますが、特に写見の負う秘密は残酷で非常に辛いもので、読んでいて心が苦しくなりました。
けれど、彼女が葛藤の末に選び取った決断によって、読者は絶望の底から光が射す結末へと掬い上げられます。

本当にみんな不器用(特に絵巻屋)で、あたたかくて…抱き締めたくなりますね!
最終章はずっと泣いていました。
このモノガタリをハッピーエンドにして下さってありがとうございます!
読んで良かったです。

個人的な推しは化身です。ふよふよ。

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