天空のロビンソン・クルーソー

最初に読んだとき興奮で背筋の震えが止まりませんでした。
誰も居ない天空の浮島。そこに建つマンションには「住んでいた気配」こそあるが住人の姿はない。青空を見渡せば、いくつもの島が浮かんでいてどこにでも好きなように冒険することができる。
目覚めた途端、天空島に隔離されていた私は、島から島へと渡り元の世界に帰る手段を見つけ出す事が出来るのでしょうか?

なにこれ「まるで私向けに書かれているようだ」などと図々しくも思ってしまいましたよ!

漂流生活を強制されているのに「好き放題な王様生活」をノンビリ堪能してしまう主人公のキャラクター、丁寧に切り抜かれた街角の美しい風景描写。
そして、緩やかに忍び寄ってくるサバイバル生活の真の敵。
作中の仕掛けのどれもが計算されつくしており、たった一人の登場人物に読者が深く共感できるよう独創的な世界が構築されています。
私のように「自由な生活いいな~」と安易に考える人ほど、この物語は刺さるのではないでしょうか?

日常の有難みを忘れてしまった貴方へ、おススメです!

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