コンパニェーロ

作者 深川夏眠

企画入賞レビュー「長生きしても猫は猫、そして人は人」

  • ★★★ Excellent!!!

不老不死を得て気ままに暮らす婆様と飼い猫のほのぼの物語です。
なんといっても可愛いのが人語を喋れない猫のブランコがタブレットを使って人間と筆談するところ。ぷにぷにの肉球で一生懸命入力するのですが、誤字やスペースが多くなってしまうのが困りものだとか。

古くはヨーロッパに居たそうなので妖精ケット・シー(長靴をはいた猫)と同じ種族なのかもしれません。その知識や記憶力はとうに人間を超えており、普段は決して誰かに媚びたりはしないのですが……自分の気に入ったご主人さまだけは特別に力を貸してくれる点もケット・シーと似ています。スペイン語やドイツ語を交えながら語られるお話はとってもお洒落でお上品。

内容が婆さまとじい様のラブロマンスである所も見逃せないポイントでしょう。
人はどれだけ齢を重ねても乙女であり、純情なのだな。素直にそう納得させてくれます。お上品な作風と相まって「こんな風に年を取りたいものだな」と思わせてくれる味わい深きシナリオは実に実に貴重です。
癒しと言ってもただ毛皮をモフモフさせるばかりが能ではないのだ。吾輩はもっと高尚で洗練されたやり方を用いるのだよ、君ィ。
ブランコに語らせたらこんな感じでしょうか。
豊かな老後というものを拝見したい貴方へ、おススメです!

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