キュア──現実と思いの差を埋めるために、現実を変えること。

対して、現実に則して思いの方を変えるのがケア。

自分の思いが社会的に許容されがたいものだとしたら、どうだろう。
諦めて自分の気持ちを殺し、周りに従う選択をするか。
社会の意識を変えて行こうと立ち上がるか。

この物語の二人はキュアを選んだ。みずから炎に手をかざすと決めた。
心の奥底に隠された熱が、さらりと綴られた行間から溢れ出す。
人生は一度きり。本音で生きよう。自分に素直でいよう。
そう思わせてくれる深い物語だ。