「女子高生」は消える。

主人公の胡桃は親友を捜索している女子高生。
彼女の親友、清香は突然に胡桃の前から姿を消してしまいました。
そのために胡桃は清香を追っています。

しかし胡桃はただ単純に清香を追っているわけではありません。
彼女は立ち向かわなくてはならない問題を他にも抱えています。
たとえば胡桃は卒業後の進路も決まっていません。

そんな状況の胡桃の胸中では、清香がかつて語っていた「あたしたちには賞味期限があるの」という言葉が突き刺さっています。
胡桃はその言葉の真意をはかりかねています。
しかし消えた清香は自分たちが女子高生であることに大きな価値を見出していました。

一方で胡桃の周りには様々な大人が現れます。
大人たちは、清香が価値を見出していた「女子高生」ではない存在です。
胡桃は清香を追って大人たちと接するうちに自分の人生の課題にも答えを見つけていきます。

若いことの価値とは?
人生の正しい送り方とは?

親友を探すところから始まった物語は、若者が人生を捉えなおす物語としての一面も持つ。
そこに大きな魅力があり、目が離せなくなる素敵な作品なのです。