初めての手帳に、未来を描いて。

 女子高生になり、初めて手帳を買った主人公。薄い緑色の手帳。
 そして主人公は、文化祭の時に出会った彼に一目ぼれをする。主人公は手帳に、彼との約束や予定を書き込む。誰かが見るわけでもなく、一人で楽しんでいたことだった。
 ところが、主人公は学校でその手帳を落とし、男子たちに中身を見られてしまう。しかも、その男子たちの中には、意中の彼もいた。恥ずかしい。でも、彼に恥をかかせてしまったことが、やるせなかった。
 次の日、学校を休んだ主人公。そんな主人公の自宅を訪ねたのは――。

 水彩画のような淡く軽いタッチで描かれる、恋の五分前。
 手帳の色が葉桜を連想させ、また、主人公が選ばなかった桜色が、うまくこの恋を表現していて、とても素敵な作品でした。

 是非、ご一読ください。