MEISTERSINGER
突然 意味もなく不安になる自分を
取り繕おうとして 無理に陽気に振舞ってみても
不意に まわりにいる連中が この不安の種なんだって
気がついたときには もう遅い
背伸びして かっこつけてみても
週末になれば ひどく疲れがたまるだけ
目覚めのブラックコーヒーだとか
そういう小洒落たものに手をつけてみても
なんの感慨もありゃしない
自己流に生きて 自分を演じてみても
誰も振り向いちゃくれないさ
アパートの窓から夜の街見下ろして
真っ白な吐息に肩震わせて
煙草ふかして 煙に噎せている自分は
誰の目にも 子供じみて見えるだろう
まだ人生のカタチも何も摑んじゃいないから
誰かの達観した歩み方を笑う権利なんて
俺にはないけれど
街のなか ひとごみに紛れて
自分相手に他人の振りをすることはできる
苦痛だらけの目の前の地面から顔をあげて
煙たい空に石ころを蹴飛ばせば
放物線の上に なにか思いつくことがあるかもしれない
“社会”だとか“世界”だとか
そんな他人様も 明日の予定同様
ちっぽけな塵みたく昨日の風に吹かれてる
関係ないのさ 俺たちは
“答え”なんかに意味はない
だったら おもいっきり爪をたててやれ
世界に引っ掻き傷をつけてやろう
自分が此処にいる証を
世界に知らしめるために
誰も“答え”なんか もう期待しちゃいないさ
夜にたゆたう。 香竹薬孝 @me13064441q
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