FRAGILE
手探りで何かひとつ言葉を見つける度
たいせつなものを繋ぐ糸が ぷつりと切れてしまう
そんな気がして
俺たちのタイムリミットは
十五億回の心臓の鼓動
握り拳大の爆弾を胸に抱え
合わせ鏡の中を歩いていく
立ち止まることを恐れ ただひとり
ひきつった作り笑いを浮かべることに
心を砕いている
次の夜明けを引き延ばしにして
昨日と今日の狭間を行き来する幻想を夢みる
“たとえば世界”なんて…
なんてちっぽけなセリフを吐いて
今の自分を見据えていられるのは
空を飛べない 翼を持たない
そんな自分に 心から安堵を感じていられるから
他人を認識することに自分を投影し
その先に進めない 進みたくない
望まないもので心を肥やし
掌から零れていく“瞬き”の欠片
時計の針だけが渦を巻いて
背中にあたる風を誰かの温もりと感じていたい
それは もう昨日のこと
だけど いずれ明日のこと
代わる代わる結ばれる“連鎖”のなかで
もう一度 誰かのなかに紛れ込みたい
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