勉強しかできない、という思い込みをなくせば、君はたくさんのことができる

母親からは兄と比べられて否定され、学校では見た目のことで馬鹿にされる。だから「勉強くらいしかできない」と、自己肯定感を持てずに生きていたタカシ。
彼の目の前に現れたユンジュンは、そんな思い込みの枷を外してくれます。

一番大事な家族のこと。
友達のこと。恋愛のこと。
どの点をとっても、物事の価値基準は一つきりではありません。

お母さんも悩んでいるかもしれない。
男の人の恋人が男の人だってこともあるかもしれない。
見た目が優れていても、中身はそうではないかもしれない。

ユンジュンの助言を得て、タカシは自ら行動できるようになります。
自分のためではなく、周りの人のために。
それはもともと、彼自身が持っていた優しさが進化したものでしょう。

タカシが動こうとする時、周囲の大人やそれに準ずる存在が手を差し伸べてくれました。
子供だけで全てを解決するのは難しいけれど、その心を汲んで力を添えてくれる誰かが近くにいることが、すごく良いなと思いました。
現実もそうであったら良いな、と。

思春期に入り始めた少年少女に触れてほしい、いろいろな「価値観」の詰まった物語です。

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