悩む小学生と軍師(怪異)の、心温まる物語

小学6年生のタカシは、自分の容姿にコンプレックスがある男の子です。
さらに両親には、優秀な兄と比べられてしまい、強い劣等感を抱えていました。 
家族のギスギスとした関係にも居心地の悪さを感じ、タカシは次第に、部屋にこもって勉強ばかりするように。

そんなある日、タカシは大好きな伯父のお見舞いに行きます。すると「見守ってくれるから」と言われ、伯父から壺を譲り受けますが、それは普通の壺ではありませんでした。

壺から現れたのは、自分は軍師だと言う怪異。初めは戸惑うタカシでしたが、2人は次第に心を通わせるようになります。

この物語の魅力は、小学生の主人公と、軍師である怪異が出会い、
「勉強しかできない」と、自分の殻に閉じこもっていた主人公が、どう変わって行くのか、だと思います。思春期の1番難しい時期に、誰とどう関わるか、はとても大切なことで、その出会いで人生が左右されることも。

タカシは軍師と出会ったことで、今まで暗かった世界が、色鮮やかに見えてくるようになります。その過程が、とても素敵な内容だと思いました。
小学生から大人まで、全ての世代の方に読んで欲しい物語です。

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