凄まじく重厚なダークファンタジー

 導入としては新人冒険者の育成に励む、老い先短い魔法使いエリクディスの知略系冒険譚、というのが目に留まる。しかし読み進めてすぐに気付かされるのが、あまりにも重厚な世界観と、不条理に過ぎる魔法や神々の存在。
 圧倒的かつ不可侵の上位者と、上手く関わりながら生きて行く人々。エリクディスとはまさしくその筆頭であり、彼の冒険を通して世界が様々な描かれ方をする。悲喜こもごも、良いことばかりではないが悪いことばかりでもない。異端にして王道のファンタジーです。続編も是非おススメします。