ブラック企業とホワイト企業って何が違うの?

 「『自分の会社はホワイト企業だ!』と言う連中は大概真っ黒も良い所のブラック企業で」、逆に『自分の会社は普通じゃないんですかね?』と割としれっという所はホワイト企業。

 だって、イケメンと美人で例えると、ブラック企業って、『自分はイケメン/美人だ!』って自分で声高々に言う奴じゃぞ?

 自分でイケメン/美人言う奴って……その発言がそもそも信用出来んし、それが事実であったにしても、そんな事自分で言う奴って、『残念なイケメン/美人』だの、『顔は良いんだけど……』だの、『お前、だからモテないんだよ!』だの言われるのが目に見えとるぞ………自分で言わないで他から言われるの待っとけよって話じゃよ。

 ホワイト企業…自称しないイケメン美人の類はその点自分で言わんでも周りが言うから割と信頼出来る。」




 「ねぇおじいちゃん。」「ほっほっほ、何じゃ孫よ。」

 「この前、学校の調べ学習でブラック企業について調べたんだけど……」「………孫の調べ学習のチョイスが中々にエッジが利いている件について……………なんでソレ選んだのシブくない?儂の孫チョイスとエッジの利かせ方シブくない??」

 「大丈夫。じいちゃんが昔、乱暴な相撲取り相手にバックドロップキメてボコボコにしたのとか、冤罪事件の裁判中に裁判所に殴り込んで真犯人放り込んだのとか……そっちの昔話の方がよっぽどエッジの利いた人生だから。そっちの方がよっぽどロック過ぎるから。日曜の9時台の洋画劇場以上の大迫力だから。

 DNAなのか環境なのか知らないけど、エッジの利かせ方とチョイスのセンスは多分似た者親子孫って奴じゃない?」

 「うーん……………事実なだけにちょっち反論がし辛い……………若かりし頃の『過ち』じゃない分まぁ良いか。社会に関心持っとるし、割と悪い事では無いし。」

 「で、質問なんだけど、ブラック企業とホワイト企業って有るよね?」「じゃのぉ、最近流行っておるのぉ。その言葉。」

 「その二つの違いって何?」

 「……………………それはのぉ………………………」






 「『自分の会社はホワイト企業だ!』と言う連中は大概真っ黒も良い所のブラック企業で、逆に『自分の会社は普通じゃないんですかね?』と割としれっという所はホワイト企業。

 だって、イケメンと美人で例えると、ブラック企業って、『自分はイケメン/美人だ!』って自分で声高々に言う奴じゃぞ?

 自分でイケメン/美人言う奴って……その発言がそもそも信用出来んし、それが事実であったにしても、そんな事自分で言う奴って、『残念なイケメン/美人』だの、『顔は良いんだけど……』だの、『お前、だからモテないんだよ!』だの言われるのが目に見えとるぞ………自分で言わないで他から言われるの待っとけよって話じゃよ。本当にそうなら自分が言う前に言われるって話じゃよ。

 ホワイト企業…………つまり、自称しないイケメン美人の類はその点、自分で言わんでも周りが言う『他称イケメン美人』じゃから割と信頼出来る。特に、ライバルとか恋敵から言われる系だとメッチャ信用できる。

 結局自分じゃ自分なんて見える訳無いんじゃし、自分の事を好意的に認めたくなくても認めざるを得ない奴は割と良いじゃろう。」

 「成程………じゃぁ、自分をホワイト企業っていう会社をピックアップして

 「………………………?」







 その後、この孫が調べ学習で発表した『ブラック企業を暴け!』と言う名の調べ学習で、今まで明るみに出ていなかった幾つものブラック企業の違法行為が白日の下に晒され、ブラック企業が消し飛んだ事をおじいちゃんは後から知ってこう言ったそうだ。


 「……………………………………儂の孫、儂よりエッジ利いてない?エッジが日本刀じゃない?」


 と。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

教えておじいちゃん ~浅深いおじいちゃんとの思い出~ 黒銘菓(クロメイカ/kuromeika) @kuromeika

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ