46)打算的だが楽しく物語を書いてみる

 先週、カクコン9の中間選考が発表されました。参加された皆さん、お疲れさまでした。私の作品は、おかげさまで今年も中間選考を通過することができました。


 年々、過熱するカクコンですが、今年はさらにお祭り騒ぎの様相が増して、もはやコンテストと言えるのか?? と思ってしまったのが正直なところです。

 近況ノートでも書きましたが、「PVが伸びない」というぼやきの声も昨年以上に聞こえてきたイベントでした。(ただ、自主企画の多くが「PV伸び悩み」企画っていうのもちょっと……)


 ちなみに、長編ライト文芸部門の中間選考通過率はおよそ23%(通過作品数を数えてみました!)。他の部門の通過率は分かりませんが、意外と通過率が高いなって思いませんか? 短編賞なんて1万6千作品中、通過は1500作品、1割ないですやん。他のコンテストでも、通過率が2割を越えるってないんじゃないかなと思っているのですがどうだろう?


 そしてこれも感覚でしかないのですが、やはり新作で参加する方が有利なのかなと。(以前は、既存作品でも参加すればそれなりにフォローや星が増えていたんですがねえ)


 とは言えです。このためだけにわざわざ新作を書くのも面倒ですし、そんな「有利である」って理由で新しい作品を書くっていうのも、ちょっと打算的だなって思わなくもない。

 なんというか評価を得たいがために作品を書いている感じがするじゃないですか。


 でもですよ、ここですなさとは思いました。打算的新作、大いに結構、果たしてどんな作品が選ばれるのかあれこれ試すのもありじゃないかと。

 例えば今回、私は1エピソードを2000文字以内、作品を10万文字程度に納めるという目標を自分自身に課しました。

 結果、自分の作品を自分で評しているだけなのですが、

①2000文字ごとにそれなりの結びを用意せねばならず、テンポが良くなった(気がします)

②10万文字程度に話を納める必要上、あれこれ要素を詰め込められなくなり、作品全体が軽くなった(気がします)

③逆に、いろいろな要素を詰め込められないので物語の厚みはなくなった(気がします!)

 これ全部、あくまでも自己評価ですけどね。


 そして今は、上記の自己評価を踏まえて、「今度はこうしてみよう」という思いが芽生えていたりします。うまくいくかどうかは分かりませんが。

 既存作だと、こういう試行錯誤がなかなかできない。最初から書き直すっていう手もありますが、それは大抵の場合、大変な作業になりますし。リフォームは新築より大変です。


 私は楽しく物語を書きたいと思っています。自分の伝えたいものを捨ててまで、好きでもない物語を書きたいとは思いません。(そもそも、好きでもない話を書けるほど器用ではない)

 では、読まれる書き手さんは、自分の矜持をかなぐり捨てて「評価される」という打算のみで物語を書いているのか? ちょっと違う気がします。まあ、確かにそういう方もいらっしゃるかもですが、少なくとも私は続けられない。

 では、たまたま時流に乗ったラッキーな人? それもありそうです。しかし、やはり大多数がそうだとは思えない。


 私が思うに、現実と自分のこだわりを上手に擦り合わせられたのではないかと思うのです。

 現実を見つつ、そこに自分のこだわりや思いを落とし込む。そうすることで、読まれやすくかつ自分も楽しく創作活動ができるんじゃないかなと。

 そう考えると、打算的な観点から話を練るのもありだなと最近は思えてきました。読んでもらうことを意識して話を作った時に、どういう反応が返ってくるか。大いに気になるところではないですか。そういう意味でも、まっさらな新作をコンテストに投げるというのは分かりやすいのかなと思います。


 趣味でもプロ志望でも、読まれたいから書くという点は変わらない。だとしたら、もっと読まれることに貪欲になって、自分の作品を見直すことはあってもいいんじゃないかと思ったわけです。公開するからには読まれたいと思うのは当然のことですし、伝えたいことは相手に届いてこそ伝えられるのですから。


 自分の可能性をどこまで伸ばせるか。すなさとの試行錯誤は続きます。

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