45)和風、洋風、中華風──、その「風」をどこまで吹かすか
現在、間に合わなかった中編コンテスト用の新作を書いているすなさとです。
いや、間に合わなかった時点で、そして家族がコロナウイルスで全滅した時点で、すでにもうコンテスト用じゃなくなっているんですけどね。いいんですよ、書き出しちゃったし、もう。(なぜか、しょっぱなからやさぐれている)
さて、私の作品をご覧になった方は分かるかと思いますが、すなさとの作品はほぼ和風ファンタジーです。もともと「和」好きということもありますし、「洋」が全く分からないということもあります。当然ながら今書いているのも舞台は古代日本ぽい架空の国です。
この物語設定をどこまでこだわるかという話なのですが、皆さんどこまでこだわってます?
私の作品の場合、あくまでもファンタジーで歴史物ではないので、そこまで忠実に当時の社会を再現する必要はないかと思うのですが、物語の根幹を成す部分でもあるので、ここをおざなりにしてしまうと、物語の雰囲気が台無しになる可能性があります。
でも、現代にない物、風習などを全て再現するのはかなり難しいです。今日はそんなことで悩んでいるという話です。
例えば、「
これ、今でいうところの掛け布団(綿が入っていないので布団と言っていいかどうか……)で、語源が「
今書いている作品が飛鳥時代前後をイメージしておりまして、作中この「衾」を使いたかったんですが、これはたぶん説明がいる言葉です。という訳で、「
あと、手拭い。
素材が木綿(この素材自体が、あとの時代なんですよね)だし、なんか江戸時代なイメージがあって調べてみたら、やはり普及したのは江戸時代に入ってかららしい。でも、原形らしきものは奈良時代~平安時代にはあったそう。
くうぅぅ、奈良時代。じゃあ、飛鳥の民はどうやって手を拭いていたの? ハンカチを忘れた現代人みたいにお尻か? いや、そもそも手を洗わない?? 駄目です、そんなバッチいの! というわけで、時代的におかしいと思いつつ、「手拭い」という言葉は採用。(せめて素材は木綿以外にしようと心の中で誓う)
でもこれ、古代の歴史が詳しい人が読んだら、「そうじゃねえよっ」って思われるかもなあって思ってしまう訳ですよ。
政治体制にしてもそうです。当時の制度を分かっている人が読んだら、「何を適当なことを書いているんだ。萎えるわ~」と言われるんじゃないかと思ってびくびくしてしまいます。でも、
今さらどうしてここまで悩んでいるかというとですね、実は読者として私個人が似たような経験をしたことがありまして。
以前、どなたかの作品で些細な言葉遣いだったんですが、個人的にものすごい拒絶反応が出てしまい、1ページ目でブラバしてしまったことがあるんですね。(ちなみに、私の作品なんかより評価も高く読まれている作品です!)
私は歴史学者でもなんでもないので、これが間違いであるかどうかを断定はできません。なので、個人的に「これはなんか違う」となったレベルではあります。
ただ、少なくとも、私の中で「いくらファンタジーでも、それはないだろう」という気持ちになったわけです。
しかし、ここで気を付けたいのは、このどこまでこだわるかという度合いは、個人差があるということ。
例えば、これが中世ヨーロッパを舞台にしたファンタジーだったとして、すなさとがここまでの拒絶反応を示すかは、かなり怪しい。なぜなら、西洋の歴史文化に至っては知識がほぼないからです。むしろ、物語の設定を鵜呑みにしてしまう自信があります。(言うて、日本史の知識もそこまで博学な訳でもない。好きだってレベルなだけで)
こういう知識は、物語を彩るのにとても重要な要素ではありますが、やりすぎると物語の本筋から脱線してしまったり、話も小難しくなってしまったりします。
前述の作者さんにとっても、登場人物の言葉遣いなんて、さして気になる事柄じゃないんですよね。そしてまた、気にせず読んでいる読者さんもたくさんいる。
これはこれで、一つの答えでもあります。
そうか、適当でいいのかと思ったり。いやいや、駄目じゃんと思ったり。すなさとの悩みは続きます。
いっそ、誰も見たことのない未来を書けばいいのか? でも、それこそ説明だらけになりそう。(もう何を目指して悩んでいるのか分からなくなってきたな)
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