44)結局、溺愛系って誰向けの話なのだろうか。
さて、先週の近況ノートで「嫁入りからのセカンドライフ中編コンテスト」について、「ちょっと心惹かれるテーマだ」と書いたすなさとですが、コンテスト要項にある【こんな作品がほしい!】を読んで、早くも「?」が付いてしまいました。
主催者が欲しているらしい作品をざっくり言うとこちら↓
◎対象は30~40代の女性、溺愛される作品、優しく明るい気持ちで読める作品
わりと難しいこと言うね、あんた。(内容をかなり省いて曲解しています。はい)
41)でも語ったように、すなさとにとっての溺愛は、「優しく」もなければ「明るく」もありません。「優しく明るい溺愛」になった時点で、かなりご都合良くペラペラな愛となってしまいます。ペラッペラな愛、好きですか?
だって「溺愛」って、あーた、愛に溺れるんですよ。
30~40代向けの「優しく明るい溺愛」って、何を語ればいいのだろうと思ってしまったわけですよ。そんな、おままごとじゃあるまいし。
普通に恋と愛があればいいと思うのです。溺れさせる必要がどこにあるのかと。
チラ読み程度ですし、全ての作品を読んだわけではないのですが、最近の溺愛系って地位も財力もある男性に、ヒロインが甘やかされる・贅沢に着飾らせられる・守られるの三点セットみたいなところがあると思うのですが、そうでもない?
しかし果たして、女子は「甘やかされ」「着飾らせられ」「守られ」たら本当に幸せ(溺愛)なのか? ここに深い疑念を持たねばなりません。
これまた先日読んだ溺愛系のざまあ漫画で、主人公の女の子が今カレと元カレを比べるシーンがありまして。まあ、庶民な元カレに裏切られ、セレブな今カレに拾われるストーリーで、何を比べているかというと、「元カレにはプレゼントの指輪も適当な店で
おい、待てや。稼ぎが人並みだったら、そうなることもあるだろうさ。それをおまえは「愛が不足している」と言うのか。確かに、元カレはいろいろ不誠実でした。しかし、指摘するのは
どうやら、愛には値段があるようです。
当然ながら、ヒロインも金のかかった愛を注いでもらっているわけですから、なにがしかgiveしないといけません。なぜなら、そうでもしないと「なんで、こんなダメヒロインが溺愛されるわけ?!」となるからです。
そしてこのgiveがまた、優しい気遣い・心のこもった手料理・男性に尽くすという「理想の女子三点セット」だったりする訳です。
なんですか、この典型的な「女子」は。これは正確に言うと、社会が今まで求めてきた(もしくは、求められてきたと思われる)女子像であって、「理想」かどうかは別の話です。
そもそも「理想」って、誰の理想でしょうか。少なくとも、すなさとの理想でないことは確かです。私はこんな女子を目指していません。はい。
特に「男性に尽くす」というやつ。盲目的過ぎて、私は受け付けできません。いや、なんらかの信念があればいいんですよ。それこそ、大志を抱く御屋形さまに惚れ込み、忠義を尽くす重臣のような。でも、「妻なのだから旦那さまに尽くすのは当然です」は、矜持も何もあったもんじゃない。だったら、婚約指輪の値段でガタガタ言うな。
以前、「児童向けの物語に溺愛ってどうなの?」って話をしたことがありますけど、じゃあ大人はどうかというと、やはり「?」なんですよね。
そこには「いわゆる女子力の高い女子は男子に愛される=幸せ」という胡散臭い指標はあっても、自己を振り返る教訓や思想はありません。こんなもの、大人の女子が本気出して読むのでしょうか。
悪いけど、最近の女子は強く賢くなってますよ。なめちゃいけません。
結局、溺愛系って誰向けの話なのかと深く悩んでしまったという今日のボヤキでございます。
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