概要
良かったねえ、少年――私が悪い魔女じゃなくて
土曜日の中央公園には魔女が出る――小学生の間で噂になっているその『魔女』は、夕方にベンチでクレープを食べるという。チビでビビリと馬鹿にされたケンタは、その『魔女』に本当に魔女なのか聞いて、ビビリでないことを証明することになってしまった。
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- ★★★ Excellent!!!少年の日の小さな冒険
小学生男子の四人組が、度胸試しを兼ねて、近所の公園で見かける『魔女』の正体を探るお話。
とても優しい手触りの現代ドラマです。なにより目を引くのは作品の細やかさ、丁寧に一歩一歩道を踏み締めて進むかのようなストーリーテリングで、それによってもたらされるリアルな質感というか、物語世界の実存を感じさせる手腕がとんでもなかったです。
主人公のケンタを含め、メインの登場人物であるところの四人組は、その全員が小学三年生で、つまりこれは子供の物語です。子供の世界を子供の視点から、子供の感覚で描いた物語。読む分にはただ普通に読んでしまうのですけれど、でも冷静に考えるとこの時点ですでにとんでもないことにな…続きを読む