110489
目が覚めると、すでに夕方だった。彼女と出会ってからはこんなことばかりだ。
親に挨拶をして、今週分の授業と課題の計画表を貰う。計画表と共に年度末試験や進級試験についての案内も一緒に渡された。彼女のことを考慮して、課題はある程度免除されているが、試験は別だ。きちんと予習復習をして挑まなければならない。そのためにも、なるべく計画通り学習を進めたい。狂った予定の帳尻をなんとかして年を越す前に合わせる。年末調整だ。
年末調整に勤しむのはわたしのような学生だけじゃない、公的民間企業も、行政機関も同じである。今年も恒例の政府による人口の調整が始まった。どうやら今年は計画から大きく外れてしまっていたようだ。奇数番号の年齢が12才以下の子供を消すことにしたらしい。地球温暖化対策に力を入れた結果だそうだ。
なるほど、とても合理的だ。種の目的を達成する最適解だろう。
そんなわけでわたし、110489は3ヶ月後に死ぬことになった。
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