第9話 最後の試験
僕は支度をして早速学校まで向かった。もちろん今はガイドさんが着いているので母やアユさんには驚かれたがアビリティが発現したんだって誤魔化した。今日は一人で学校に向かっている。
「あ、レナちゃん!」
僕はレナさんの後ろ姿を見つけ駆け寄った。どうやらレナさんも学校に行っている途中らしい。
「ん? おー、セイナおはよー! んで何だそのよくわかんねぇフワフワした奴」
「あ、えっとね・・・なんか僕のアビリティみたいなんだ、あはは・・・」
「へー、なんか歩き方もよちよちしてて何か可愛いなこいつ」
そう言いながらガイドさんにレナちゃんは視線を下ろした。
レナちゃんって可愛いもの好きなのかな
と思いながら僕はその姿を見て少し微笑む。
「あらあらあなた達、昨日はまぁまぁ凄かったじゃない。わたくし見ていましてよ」
「ん、誰? セイナの知り合い?」
今の僕よりも気品のある雰囲気がある女性が急に話しかけてくる。白のドレスに黒い日傘を刺している。身長はレナちゃんと同じぐらいかな。ウェーブにかなり薄みがかった明るいレナちゃんとはまた違った茶色の髪の毛をしている。
「いや、知らないけど・・・」
「まさかマーレ家のあなたがこのわたくしのことを知らないなんて・・・小さい頃に習わなかった?」
習っていなかった。
「んで、あんたは?」
レナちゃんは純粋に警戒心も無くその子に質問をする。
「私はメアリー・カシオス・カートレア。カートレア家の一人娘にしてマーレ家のライバル・・・!!」
その自慢気な態度に対してもレナちゃんは笑顔で握手を求める。
「はは、まぁよくわかんねぇけどよろしく。あんたも今日の試験頑張ろうぜ」
「ふん、まぁ言われなくても。そっちも精々頑張ってくださいまし」
そう言いながら握手をせずにメアリーさんは学校の方へ去っていった。
「あの、レナちゃん・・・?」
僕はすぐにレナちゃんの元に駆け寄る。
「ま、俺達も頑張ろうぜ!」
レナちゃんはニカッと笑って僕にそう伝える。
僕もそれに応える。
「うん、頑張ろう!」
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