第13話 始まりの扉
僕はレナちゃんといつも別れている道に辿り着き、彼女がいつも帰っている方へと向かった。
「レナちゃん、どこにいるの」
そうして真っ直ぐと走っていると森に着いた。それも気にせずどんどん走っていく。道はしっかりできていて、一本道が続くので迷うこともなかった。
「え、セイナ!?」
レナちゃんがこちらに走ってきていた。急いでいる様子だった。
「レ、レナちゃん!!」
僕レナちゃんの元へ駆け寄る。やっぱり来ていなかったみたい。でもちゃんと居て安心した。
「セイナ、どうしてここに? それに入学式は?」
「・・・レナちゃんが心配で、ごめんなさい」
僕はレナちゃんを困らせてしまっているのでは無いかと思って謝った。
「・・・っ!?」
レナちゃんは僕の頭を撫でた。
「そっか、謝らなくていいんだ。心配して来てくれたんだよな」
僕はコクリと頷いた。レナちゃんはどうやらむしろ来てくれたことに感謝しているような感じだった。
「あ、そうだレナちゃん!! 入学式急がないと」
「っべほんとだ!! セイナ捕まってろよ、飛ばすぞ!」
レナちゃんは僕の手を握って僕が来た道を走っていく。
「ガイドさん! 何とかもっと急ぐ方法は無いですか!?」
「ウン、キミの能力デ、彼女の『ベース』を操作シテ上げるンダ。やり方は・・・ガンバッテ・・・」
操作・・・でも上手くいくって保証は──────
「やってみよう!!」
レナちゃんは後ろを向き額に汗を流しながらそう言った。
そうだよね、やってみるしかない。
「いくよ!レナちゃん!」
「おう!」
・・・結構集中力がいる。僕も走りながら汗をかいて『ベース』を操作する。
「よし、いける!! 乗ってくれ!」
レナちゃんは僕を引っ張りあげ背中におんぶする。
「は、早い!」
レナちゃんのスピードは見る見るうちに上昇する。目視は出来ないけど足にベースがどんどん集まっているみたいだ。
─────────
「着いた・・・。セイナ?どう?気分悪くない?」
「うん、レナちゃん・・・。ありがとう、そっちこそ平気?」
「ああ、じゃあ行こっか、まだやってるみたいだし。こっそり入れば大丈夫だよ」
僕達は大きな体育館の扉の前に立つ。その二つの扉をレナちゃんは開けて僕に振り返った。
「始まるな、学校生活。───行こう」
僕達の学校生活は遂に幕を開けた。
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