第5話城砦と魔力開発

 詐欺女神には色々、いや、山ほど言いたい事はあるが、守られた契約内容もある。

 家と職場のトイレは水洗だったが、腹立たしい事に職場と家が一緒だった。

 この世界の生活環境をよくしろと言っていたが、職場と家が城だった。

 どうやっているのか分からないが、城内の各所に噴水式の泉があって、ふんだんに水が噴き出しているのだ。


 状況を確認すべく、城内を見て回ったが、城のある場所がとんでもない。

 オーストラリアのエアーズロックではないが、巨大な岩山の上に築かれた城だ。

 広さ的にはそれほどでもないが、この岩山を登ってくるのはとても大変だと思う。

 十分な武器と食糧があれば、少人数でも護りきれるだろう。

 だが、城下町を統治するという意味では役立たずだと思う。


 しかし、異世界壮年協力隊というくらいだから、現地の勢力に協力したり助言したりして、この世界の生活環境をよくすると思ったのだが、全てを俺が一から創り出すのだろうか、もしそうだとしたら、とても大変なのだが。

 もし少しでも派遣される者の事を考える神なら、現地勢力に神託を下して事前準備をしておくだろうし、権力者の性格、特に善悪を調べておくはずだ。


 普通ならありえない不手際だが、詐欺師女神に人間並みの気配りを願っても無駄だということは、わずかな会話で嫌というほど思い知った。

 それにしても、そもそもこの世界の生物の姿形はどうなっているのだろう?

 元の世界のような人間が支配している世界なのだろうか?

 それともファンタジーの創造物のような種族が支配しているのだろうか?

 火星人のようなタコ人間でない事を祈るが、どうも嫌な予感がする。


 まあ、最悪の想像は止めておこう、想像したらまた詐欺女神を思い出した腹が立ってしまい、精神衛生的に最悪だからな。

 それよりは俺に与えられた能力を使って、味方が増えた時の準備だ。

 家と職場が城砦なんて、最初から暴力でこの世界を統一させる心算だったのだ。


 そう思うだけで腹が立って仕方がないが、それも詐欺女神相手に今更だ。

 それよりは、俺の経験を生かして魔力というべきか神力というべきか分からないが、既存の神々を超える力を得る事だ。

 その為に、魔力神力を身体中に行き渡らせ増幅する。


 座禅を組み、

 まずはチャクラ、東洋医学経穴の会陰から百会に魔力を十回巡らせてる。

 左右の手の太陰肺経、中府から少商に魔力を十回巡らせる。

 左右の手の陽明大腸経、商陽から迎香に魔力を十回巡らせる。

 左右の足の陽明胃経、承泣から厲兌に魔力を十回巡らせてる。

 左右の足の太陰脾経、隠白から大包に魔力を十回巡らせる。

 左右の手の小陰心経、極泉から少衝に魔力を十回巡らせる。

 左右の手の太陽小腸経、少沢から聴宮に魔力を十回巡らせる。

 左右の足の太陽膀胱経、晴明から至陰に魔力を十回巡らせる。

 左右の足の少陰腎経、湧泉から兪府に魔力を十回巡らせる。

 左右の手の厥陰心包経、天池から中衝に魔力を十回巡らせる。

 左右手の少陽三焦経、関衝から絲竹空に魔力を十回巡らせる。

 左右の足の少陽胆経、瞳子膠から足竅陰に魔力を十回巡らせる。

 左右の足の厥陰肝経、大敦から期門に魔力を十回巡らせる。

 督脈の長強から齦交に魔力を十回巡らせる。

 任脈の会陰から承漿に魔力を十回巡らせる。


 次に西洋医学的に。

 胃で消化するように魔力を送る。

 小腸で吸収するように魔力を送る。

 脳の記憶力がよくなるようにイメージし魔力を送る。

 脳から脊髄・神経の伝達が好くなり、反射が早く成る様イメージし魔力を送り。

 骨にカルシウムを取り込むようにイメージし魔力を送る。

 骨が太く長く成長するようイメージし魔力を送る。

 筋膜が広がる様イメージして魔力を送る。

 筋線維は太くなり、更に分裂して二倍になるイメージをし魔力を送る。


 ぶっ倒れるまでこれを繰り返して、ひたすら実力を高める。

 全ては詐欺女神と神々をぶちのめすためだ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る