君が深淵で見たものは

藍ねず

君が深淵で見たものは

邪神の固有名詞は出ませんが、クトゥルフ神話要素を混ぜ込んで書きました。

クトゥルフ神話は知っていますが、TRPGは未経験の作者です。


――――――――――――――――――――


 始まりは友人からの一通の手紙だった。


 一人暮らしをする部屋の玄関ポスト。極めて黒に近い青色の封筒に、金色の蝋で封がされた手紙。


 初めて見るタイプの手紙に私は笑ってしまい、送り主らしいとも温かな気持ちになった。


 手紙の送り主と私は高校からの仲だ。図書室に通い詰めていた私と同じように彼女も本の虫だった。


 私はファンタジーや推理もの、ホラーや伝記など本ならば何でも読んでいた。それに対して彼女が読むのは決まって魔術や占い、超常現象などの類だった。最初に声を掛けてきたのも彼女の方で、私がたまたま神話の本を読んでいたからだった。


 ――貴女もそういうの、興味があるの?


 抑揚の乏しい声に問いかけられたのを覚えている。黒髪を太い三つ編みにし、黒縁の眼鏡をかけた彼女。正に「そういうの」が好きそうだった彼女は常に俯き加減で、私の正面に座ることは決してなかった。


 ――面白そうなタイトルだったから


 ――そっか


 隣同士の席に座って、それぞれが読みたい本を手に持っていた高校生活。二人とも特に約束をしていた訳ではないが、ほぼ毎日図書室に行っていたので必然的に顔を合わせる仲になった。


 三年間同じクラスになることはなく、図書室で会うだけの友達。最初は彼女が魔術や占いについて静かに話してくれて、私は聞き役に徹した。存外彼女は話すのが上手く、徐々に占いや神話に興味を持った私は質問するようにもなった。この占いの起源は、この神話は、このモチーフの由来は、と。


 楽しそうに笑ってくれるようになった彼女に対して私も笑うようになった。図書室の隅の席で女子高生二人が何をしているのかと思われるかもしれないが、私達にとってはそれが青春だったように思う。


 一年生から三年生まで続いた関係はどこか曖昧なものだった。どちらかが何となく気になった展示会に相手を誘ってみたり、雑貨屋に行くだけ行ってみたり。一緒にいても無言の時間の方が格段に多かった。学校外で会っても現地集合、現地解散が基本だったしな。


 きっと友達だと言える関係なのだが、お互いに親友だとか友情に溺れたい性格ではない。別々の大学に進学するとなっても別れを惜しむことなく、あっけらかんと終えた。それでも何かあれば彼女に報告したいと思えるような関係だ。


 それは少なからず彼女も感じていたことなのだろう。誕生日にはお祝いの連絡を飾り気なく送り合っており、初めてお酒を飲んだのも一人暮らしをする彼女の部屋だった。二人とも翌朝には「頭が痛い」と零したものだ。


 そんな彼女から手紙が送られてきたのは初めてのことだった。


 金の蝋を壊したくなかったのでペーパーナイフで封を開ける。気分屋の彼女は時折突拍子もないことを始めてくれるから面白い。


 中に入っていたのは一枚の写真だった。


 それには彼女が一人で映っており、海を背景にしている。


 何処の海かなんて判断は出来ないが、陽光を反射する水面みなもと透き通るような快晴を背に微笑む彼女は綺麗だった。


 黒い髪は相変わらず三つ編みにされていたが、腰まで伸びたそれはよく手入れがされていて魅力的だ。細いフレームに変えた眼鏡は確か一緒に選びに行った気がする。コンタクトにも挑戦したらしいが「外すのを忘れそうだから」と断念したんだっけ。


 懐かしい気持ちになりながら写真の裏を見る。


 そこにはただ一言、彼女らしい少し斜めになった文字が綴られていた。


〈海に来た〉


 * * *


 あの日から毎日彼女からの手紙が届く。


 写真は相変わらず海を背景にして、笑っている彼女が映ったもの。


 違和感は二通目の手紙を貰った時から既にあった。


 写真の彼女のポーズも表情も変わらず、服装も髪型も一通目と全く同じなのだ。


 黒いワンピースに黒い薄手のストールを肩にかけた彼女。


 その表情は本当に幸せそうで、だからこそ私は違和感を拭えなかった。


 彼女は元々インドア派の人間だった筈だ。出掛先もカフェや展示会など静かな場所を好み、海や山は「行きたくない」と以前言っていた。


 そんな彼女が海で笑った写真を送ってくる。しかも毎日。黒に近い青の封筒に金の蝋を垂らして。


 代り映えしない写真は連写でもしたのか、それともコピーなのか。


 ありきたりな海を背景に、少しだけ薄雲がかかった空。彼女は黒い三つ編みを揺らして笑っている。


 写真の後ろには決まって〈海に来た〉の文字があり、私は首を捻るばかりだった。


 私は一通目に対して〈綺麗な写真をありがとう〉と言う意の手紙を返した。彼女の封筒と対になるように深紅の封筒に、白い蝋で封をして。


 しかし私の手紙に対する返事はなく、彼女は同じ内容の手紙を送ってきた。


 それ以降も手紙に返事を書いてみるが一向に進展はない。〈どこの海に行ったの?〉に対する手紙に、同じ写真と同じ言葉が返されるばかりだ。どう考えても会話のキャッチボールが成立していない。


 徐々に不信感が募り始めたのは手紙を貰い始めて二週間が経った頃だ。


 手紙を貰ったのに携帯のメッセージ機能を使うのは無粋で気が進まなかったが、それでも聞かずにはいられなかった。


〈写真をよく送ってくれるけど、どうしたの?〉


 送ったメッセージに対する返事はこなかった。


 それでも手紙だけは送られ続ける。


 変わらない写真。彼女の笑顔。


 くすんだ海面を背にして笑う彼女がいる。空は厚い雲に覆われており、彼女は顔いっぱいに笑みを浮かべていた。


 こうも毎日同じ写真が送られると彼女の精神状態が心配になるが、出会った頃から少し不思議な子だった。神話や魔術に興味があって、急に「骨董市で材料を集めて来たい」とかも言い出すし。


 私は今日も届いた手紙を開き、変わらない〈海に来た〉の文字を見た。


 * * *


 さて、彼女から写真が届き続けて早二十日。気分屋の彼女がしたいようにさせていた訳だが、そろそろ写真の真意が知りたくなってくるものだ。


 今日も届いた手紙の封を開ける。


 そこにはやはり〈海に来た〉の文字が裏面に書かれた写真があり、私は首筋を意味もなく掻いてしまった。


 黒く底が見えない海面を背にして、今にも雨が降り出しそうな空の元で笑っている彼女。黒いワンピースに黒い薄手のストールを揺らし、それはそれは幸せそうだ。


 私は写真を封筒に戻して携帯を開く。彼女に何度か送ったメッセージは読まれた形跡すらない。


 これはいっそ電話をかけるべきだろうか。電話のコール音が嫌いで常にマナーモードにしていると笑った彼女を思い出したが、私はダメもとで電話をかけてみた。


 彼女が変なことをするのは今に始まった事ではない。深刻な悩みでもあるのかと卒となく聞くが、「そうしたいから」と言ってさなぎにカッターナイフを刺すような子だ。今回もそれの延長なのだろう。


「おかけになった電話番号は、現在使われておりません。今一度番号を確認の上、おかけ直し下さい。おかけになった電話番号は――」


「……マジか」


 電話番号を変えたのか。そして私は新しい電話番号を教えられていないのか。


 そんな考えに少し落胆したが、それでは写真が送られてくる理由が分からない。


 ソファに体を沈めて暫し天井を見つめた後、不意に携帯を解約すると言うイメージが浮かんだ。


 ……彼女ならやりかねない。以前も連絡がつかなくなった時期があったが、その時は「全てが嫌になったから携帯を解約して部屋にこもり続けた」とか言ってたし。復帰した時は電話番号も変えず、何事もないようにメッセージが届いたので深入りしなかったんだ。


 今回も精神的に何か思う所があって奇行に走っているのか。突拍子もない行動も、彼女がしているだけで普通のことのように思えてくる。


 それでも放っておくのも気が引けた。


 私は夜にも関わらず自転車を漕いで駅に向かい、電車に乗って彼女が住むアパートに向かった。


 こういう所を「行動力があるよねぇ」とよく笑われたが、彼女にだけは言われたくない。そうしたかったからしていると言うだけなのだから。


 それにしても、どうして彼女は急に海に行ったのか。彼女が住む場所からだと海はいささか遠い。私のアパートの方が近いだろう。一人暮らしを始めた頃、私の部屋から微かに見えた海面を「綺麗だ」と言ってくれた彼女は何を考えていたのやら。


 ぼんやりと思いながら彼女のアパートに辿り着く。部屋を見上げたが明かりは付いておらず、バイトにでも行っているのかと首を捻った。


 部屋の前まで来てインターホンを押しても音沙汰無し。無駄骨だと首を摩りながらエントランスに戻れば、彼女の部屋のポストが開いていることに気が付いた。


 足が止まる。考えが止まる。


 少しだけ。


 本当に、少しだけ。


 閉め忘れたのか何なのかは知らないが、確かに開いているポストに視線が釘付けになった。


 渇いた唇を舐め、足を引きずりそうになりながらポストに向かう。ずるずると、ずるずると。


 私はポストの前に立ち、掌の汗を服の裾で拭った。


 脈が異常に速くなる。体の中心で存在を主張する心臓は呼吸を浅くさせ、自然と生唾を飲み込んだ。


 肩に何かがのしかかっていると錯覚する嫌な空気。ポストの前に立ち続けて、私は一体なにがしたいのか。


 開いているのは不用心だから閉めたいのか。


 いいや違う。私はこの中が見たいのだ。


 この少しだけ開いたポストの中。そこにあるものを確認したい。


 どれだけ唾を飲み込んでも口の渇きは改善されず、汗を再び服の裾に擦り付けた。


 エントランスの照明が点滅した気がする。それとも点滅したのは私の目だろうか。どちらか分からない。


 目の前が徐々に狭まるような緊張感にさいなまれる。それでも私の手は、ポストの取っ手を掴んでいた。


 ポストの蓋がびているような音を立てて開く。私の手が開けていく。


 中には、未開封の手紙が入っていた。


 白い蝋で封をした深紅の封筒。


 それが積み重なって、積み重なって、積み重なって。


 私の手紙は、一通として彼女には届いていなかったとそこで知る。


 一気に額からは汗が滲み、口からは過呼吸になったような息が漏れ始めた。


「あの、大丈夫ですか?」


 背後からの声に、急速に意識が戻される。


 私は汗で濡れた顔で振り返り、眉を八の字に下げている男性と目が合った。くたびれたスーツを着ている彼は仕事用の鞄とコンビニの袋を持って、私を見下ろしている。


 私は肩で呼吸をしており、汗で色が変わりそうな襟を握り締めた。声を掛けてくれた彼も心配そうに汗をかいており、私は何度か口を開閉させてしまう。


「ぁ、の……三〇二号室の、方って……」


「三〇二号室……?」


 男性は頭を掻きながら眉を下げ続ける。私はポストの中を振り返り、深紅の封筒たちを凝視した。


「俺、三〇三号室に住んでるんですけど……三〇二号室はここ数年、ずっと空きだと思いますよ?」


 * * *


 玄関に飛び込み、靴をもつれるように脱ぎ散らかす。


 そのまま机の引き出しを開け、彼女からの手紙を床にぶちまけた。


 消印を確認して写真を一枚ずつ並べていく。初めてもらった日から今日までの写真。


 震える奥歯の音を聞きながら写真の日付を見て、顔が引きつった。


 全て同じ日付の写真。それでも確かに時間が違う。印字された時間は一秒ずつ進んでおり、私は吐き気を覚えた。


 たった数十秒を連写した写真たち。


 それらは横に並べれば彼女がいる場所の異様さを醸し出し、並べることで初めて私は鳥肌を立てた。


 ぐずぐずの、ぐずぐずで。


 べちゃべちゃの、べちゃべちゃで。


 ずぶずぶの、ずぶずぶ。


 彼女の背景は形容できない程の嫌悪と異様が立ち込めた海辺で、私はそれに触れていた自分の指を千切りたい衝動に駆られた。


 首筋を引っ掻いて汗に濡れた肌を嫌悪する。


 写真の中の彼女はどうしてこんなに笑顔なのか。


 黒く気泡が弾けるような毒々しい海。その沖からは銀と黒と赤、いや、灰と青と緑。違う、違う、どの色も違うが、全ての色が混ざって潰れたような触手が幾重にも浮かんで、彼女に向かって伸びている。


 空は墨を塗りこめたような雲しかない。いや、これは雲ではない。空でもない。そこには何もない。何もないから黒いのだ。光も星も太陽も、全てが無くなったから闇なのだ。


 それを背に彼女は笑っている。彼女は笑っている。彼女は笑っている。


 私は首筋を掻きむしった。


 ――ぶつんっ


 あれ。


 あれれ。


 れれ……?


 彼女。


 彼女は。


 彼女は――誰だ?


 私が常に彼女、彼女、彼女と言い続けてきた彼女は一体誰だ?


 彼女の名前、彼女の姿、彼女の声。


 写真から目を逸らした瞬間に全てを忘れそうになり、だから私は気持ち悪い写真たちに釘付けになる。


 笑う彼女の姿を目に焼き付けて、網膜に焦げ付かせて、吐きそうになりながら彼女に迫る触手を見つめる。


 彼女の名前を思い出したいのに思い出せない。


 彼女の声をよく聞いた筈なのに再生できない。


 彼女の名前、名前、名前、声、声、声、声。


 首筋から汗が流れて写真に落ちる。その汗は赤い色をしており、何事もなく写真に吸収された。


 写真の水面みなもが揺れている。


 気泡が海面で弾けて、確かに触手が彼女に迫る。


 一通目の写真から今日の写真へ。今日の写真に辿り着けば一通目の写真へ。


 眼球だけを動かして見つめていれば、写真はコマ送りのように歪み続けた。


 水に浮かんだ油。ステンドグラスを透かした光。カタツムリに寄生したロイコクロリディウム。


 触手を形容する色を見つけられない。ぬらぬらと粘着質な光沢がある触手は彼女の腕を掴み、足に纏わりつき、顔を隠して、海に沈めようと引いていく。


「やめ、やめ……ぁ、っ」


 声が上手く出なくて汗が流れ続ける。赤い汗が落ちる度に写真に吸い込まれて、私は口の端から涎を吐いた。


 彼女の姿が飲まれていく。


 笑う彼女がいなくなる。


 引きずり込まれて、引き千切られて、海に撒かれていなくなる。


 私は頭を抱えて写真を凝視し続けた。


 彼女を忘れてしまいそうで、彼女の姿が思い出せなくて、彼女の声が分からなくて。


 彼女が誰だったか何も思い出せない。


 思い出せない。思い出せない。気持ち悪い。


 水気を含んだ写真をひっくり返す。そうすれば裏にある文字が彼女を教えてくれる気がした。


 水を滴らせる写真は酷く重たい。裏返す作業には苦労した。


 べちゃり、べしゃり、べちゃり、べしゃ、ぐしゃ


 全て返し終え、一通目から彼女の文字を追う。眼球を動かす。文字を頭の中に入れていく。


〈海に来た〉


〈うミに来た〉


〈海にき■〉


〈うみに%た〉


〈う■にき%〉


〈ウみ■■た〉


〈■みにキ%〉


〈■みに■た〉


〈■■に%■〉


〈■ミ■%■〉


〈■■%■%〉


〈?■%%■〉


「れ……ぁ……ぁれ……れ?」


 文字がどんどん歪んでいく。


 文字が読めなくなっていく。


 違う、違う、読めないのは当たり前だ。


 ここに書かれているのは彼女の字ではない。彼女の字? 彼女の字とはなんだ。ここに書かれているのは字ですらない。発音も理解もできない。それなのに、一体私はどんな意味を持ってこの文字を見ていたんだ。


 目の前が発光して気味が悪い。


 写真から染み出る海水は私の膝を濡らし、部屋を満たし、腰まで浸かり、霧が立ち込めてくる。


 彼女がいつか話していた神話があった筈だ。彼女、彼女、彼女? 彼女は誰さ。彼女なんて私は知らない分からない。


 神話、シンワだ、しんわがあって、うみのそこにしずんだこわいかミさまのはなしで、それはとてもきみ悪くぼうとくてきだとかのジョがいっていた。


 かのじょ、かノじょ、かのじょハだれ。


 高校せいカつ、図しょシつ、よんダなにかが、ぁ、った、た、タ?


 つめたいものがどんどん、どんどん、あがるから。


 すいめんがゆれて、ゆれて、どこかでとりでもないている?


 ちがう、ちがうよ。それはさけびだ。


 わたしのくちから流れでるひめイだ。


 あいタくちに水がはいりこんでくル。


 あぁ、よかった、これでさけびはふさがれる。


 沈んで、しずんで、うみのそこにそれがイる。


 たこみタいなかお。そのアごでうにゃうにゃうゴくしょくしゅがたくさん。


 たくさん、たくサん、キミが悪イ。


 とても、とテも、うスきみ悪い。


 わたしは、のびるしょくしゅにサワッた。


 ――ぶつんっ


「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 家中に響き渡る叫び声をあげて起き上がる。


 布団を跳ねのけて、肩で息をして。


 汗だくになって服が張り付いている。全力疾走をした後のように心臓が鼓動を刻む。


 今にも爆発しそうな焦りで体が震え、私はベッドから転がり落ちた。


 嫌な夢を見た気がする。それは酷い夢だ。最悪にして最低の夢だ。それは分かる。分かるのに夢の内容を思い出せない。


 滝のように床に落ちる汗の玉を見下ろして、足には力が入らない。


 それでも這いずるような形で部屋を出て、壁にもたれかかりながら玄関に向かう。急げ急げと心臓が私の足を無理やり動かす。


 体の震えが止まらず、汗も止まることなく流れ続ける状態で。


 私は水を飲むでもなく、外の空気を吸うでもなく、真っ先に玄関ポストを開けに行ったのだ。


 奥歯が鳴りながらも震える手でポストを開ける。


 そこには何も入っておらず、確認した瞬間に私は玄関に座り込んだ。


 口からは徐々に徐々に笑い声が漏れ始め、首を掻きむしりながら笑い転げる。


 座り込んでいた姿勢から後ろへ倒れ込み、私は大笑いしながら天井を見た。


 そこには、全ての色が混ざって潰れたような触手が幾重にも垂れ下がっている。


「あぁ、?■%%■!!」


 ――ぶつんっ

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