第6話 赤字大決算 20.08.01

森の中に暮らすは1人の少女と2匹の喋るクマ。

某サンエックスのキャラクターとは異なり、

着ぐるみではない。



少女は株で利益を得て、生計を立てている。

「違うだろー!この羽根ー!!」

ドロップしたのが欲しい素材ではなかったようだ。

「最近仕事が多くて嫌になっちゃうわ」

「MIU、仕方ないですよ。今は決算のシーズンですから」

「ああもう!」

「次は…値上がりメビウスの亡霊です」

「ああ!はいはい。インデックスの呼吸、弐の型…長期投資!」

「さすがです。一撃とはお見事です」



少女は株で利益を得て生計を立てている。

しかし、それは

「株で傷ついた魂を戦闘によって鎮める」

ことで、ドロップするアイテムを現金化して

生計を立てるという意味である。


故に少女は

「私はJKセラピスト☆今日も魂癒してあげる!」

などと自らの仕事を呼称しているとかいないとか。


7月末から、仕事が立て続けに入っている。

小グマがサポートしているが、それでも

回数が多く、苦戦を強いられている。

「大グマも珍しくやる気になって一人で戦っちゃうし…」

「仕方ないですよ、最悪の赤字決算が続いてるんですから」

「今日だけで何回戦闘してるのよ!」

「しかも強いですよね…怨嗟が」

「これガチで株で困ってる人が見てる小説だから気を付けて」


4~7月期の決算がどんどん発表されていく。

想定を上回る赤字なのだ。

もちろん株主はそれを織り込んでいるが、

それでも耐えきれずに魔の道を進む者がいる。


そうした者たちをMIUは愛刀のインデックス刀Ⅳ

によって斬り伏せていく。


「JT、オリックス、イオン、まぁ航空関係のJALとかはさ…」

「JRも東日本、東海ととんでもなかったです」

「いよいよ日本エリアでは【神の見えざる手(インビジブル・ハンド)】が2番底を仕掛けてきたかもしれないわ」

「チーム・じゃぱんガバメントも不景気入りを宣言しました」

「くうう!私の夏休みどこいったぁ!」

「おっと休んでいる暇はないみたいです。ここからさらに南へ3km進んだところにエクソンモービルでダメージを負った魂が暴走しています」

「米国株もかぁ!」

「謎のウイルスCが広がってますから」

「ここはいっちょ踏ん張るしかない!やるぞ!円高で買い増し!!」



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一方。

大クマは米国ハイテク株の行方を見守っていた。

「GAFAはどうなるか…」

公聴会なるものが開かれていた。

「もし何かあれば、すぐに叩き斬ってやるさ」


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5月、6月に比べ確実に

神の見えざる手【インビジブル・ハンド】が攻勢を強めている。

いまだに組織の尻尾もつかめていないMIUたち。


今後熾烈な戦いが始まる――

かもしれない。

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投資の国のMIU @saladataberu

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