概要
誰だって、何かを恐れながら生きている。
過去に起きた‘’ある出来事”によって、大好きであるはずの歌を恐れる女子高生、逢野 蓮《おおの れん》は、幼馴染である松原 蛍《まつばら ほたる》に誘われ、幼い頃の思い出の場所を訪れる。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!失った翼を取り戻すための儀式と、そのための一歩を踏み出す勇気
かつて歌を歌うことがなにより好きだった高校生の少女と、その幼なじみの少女のとある一日のお話。
青春ものの現代ドラマです。合唱部での活動、あるいは歌うことそのものが主なモチーフ、と書くといかにも爽やかな青春模様を想像してしまいそうになるのですが、さにあらず。冒頭からなんだか不穏な雰囲気で、その重苦しい空気の書き表し方と引っ張り方がまた巧みというか、このシリアスさこそが本作の特色であり、また最大の魅力であるように思います。
読み始めて早々に、というかあらすじの時点でわかるのですけれど、主人公の蓮さんは何か大きな欠落を抱えた存在です。もっと言うなら、あからさまに何かを失った状態から物語が始ま…続きを読む