ぬいぐるみの代償が何だったのか、見つけるのが難しいほどに、飽きさせぬ、話の起伏やシーンの展開があり、本の一行一行に引っ張られる、魅力的な文章というか、むしろ体験に感じられました。本の中に入ったみたい。
おもちゃをレンタルできるのは1年間。その期間が"たった"なのか、"そんなに"と思うのか?――それは実際にレンタルした家族だけしか分からない。幼い子特有の心理描写と、優しい大人たち。そして不思議なおもちゃが繰り広げる、ハートフルなストーリー。幼いあの頃、お気に入りのおもちゃで遊んでいた思い出がよみがえり、思わず目頭が熱くなりました。短編ですが、童話レベルの内容の濃さ。子どもが寝る前に読ませてあげたくなる、そんな良作品です。
はじまりのルール説明で、ちょっぴり不安を覚えながら読み進めて行くと、最後にちょっぴりうるっと、そしてその更に後には感動がやって来ます。小さな女の子の心情も行動もよく捉えていて、ああ、そうだよねと、言動に納得していまします笑。お話も基本語り口調で進んで行くので、読みやすいです。読んだ後は、心が温かくなりますよ。詳細は書けないのですが、この感動は読んで確かめて見て下さい。
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